20010825

サ条約・第一次安保50年
安保破棄、アジアの共生へ

壮大な国民的闘いをつくりだそう


 九月八日は、サンフランシスコ平和条約締結・日米安全保障条約五十周年となる。日米安保体制が半世紀も続き、いまなお在日米軍が存在する占領体制が続いている。この安保体制はわが国を米世界戦略に組み込み、米国の東アジア戦略に沿ってアジアと敵させるものである。しかも、昨年から米国家情報会議などが、アジアにおける緊張激化を繰り返し述べ、わが国への戦争協力要求をいちだんと強めている。また、経済的にもドル体制に組み込まれ、経済的にも多大な犠牲が米国から押しつけられてきた。こうした安保体制の打破こそ、わが国がアジアと共生し、平和で繁栄する日本を築くものである。だが、政府支配層はサンフランシスコ条約五十周年という節目に、さらに対米追随を強める策動として「A50」なる運動を準備している。こうした日米安保体制の強化、アジアと敵対する国の進路に反対し、独立・自主、アジアと共に生きる日本を実現しよう。そのために広範な国民世論と運動をつくりだそう。

危険な日米安保体制

 この間、安保再定義、新ガイドライン、そして周辺事態法など着々とわが国を米国の世界戦略に沿って、軍事的に支える体制がつくられてきた。そして米国は、昨年来日米安保体制を「米英同盟」並みに強化せよと要求している。
 日米安保条約によって在日米軍基地が存在しているが、沖縄では数限りない暴行などの犯罪・事故が繰り返されている。六月二十九日の女性暴行事件でも、事件の発生した北谷町をはじめ、多くの自治体での抗議決議や労働組合などの抗議行動などに見られるように、沖縄県民の怒りは頂点に達している。まさに基地あるがゆえの犯罪であり、安保は日本を守るどころか、日本人に犠牲を強いるものであるのは明白である。

集団的自衛権容認をもくろむ

 最近、ベーカー駐日米国大使は「憲法改悪か集団的自衛権容認」が必要などと述べている。まさに、米国の戦略にわが国を完全に巻き込もうというのである。
 すでに、新ガイドライン、周辺事態法などでわが国土、官民を問わない戦争協力体制が法的にはつくりあげられてきた。そして、集団的自衛権の容認による日米共同の軍事行動をめざしている。
 わが国が米軍とともに中国や朝鮮民主主義人民共和国との戦争さえ実行させようとするものである。断じて許されるものではない。

民主党、鷲尾の危険な策動

 こうした危険な動きの中で、民主党は自民党以上の対米追随ぶりである。先の参議院選挙で菅幹事長が沖縄で「海兵隊の撤退」を発言したが、すぐに岡田政調会長は米国に出向き、発言は民主党の公式見解でない、と訂正した。
 これまでも鳩山代表が繰り返し、改憲、集団的自衛権容認などを述べており、この民主党が財界のための政党であることは明らかである。
 また、鷲尾ら連合指導部は労働者階級をこの民主党につき従えさせようとしている。さらに鷲尾は、A50の実行委員として、連合を米国賛美、日米同盟強化の方向に引きずり込もうとしている。

◇     ◇

 日米安保については、後藤田元副総理は安保見直しを提唱している。支配層内に国の進路を巡って違いがある。
 わが国が真に自立し、アジアと共生するためには、日米安保条約を破棄し、米軍基地を撤去することが必要である。そのために壮大な国民運動をつくりださなければならない。労働者階級は、アジアと共生する国の進路を築き上げる闘いの先頭に立とう。


A50とは
 94年から準備されたもので、中山日米友好議員連盟会長、豊田経団連名誉会長、広中民主党参議院議員などが発起人。実行委員会がつくられ、実行委員長は中曽根元首相が代表の世界平和研究所理事長の大河原元駐米大使。
 A50は感謝の英語のAPPRECIATIONの頭文字と、条約締結50周年と米国の50州を意味している。

サンフランシスコ講和条約
  1951年9月8日、米国の提案によってサンフランシスコで講和条約を締結し、形式的には「独立」を回復した。だが、中国、ソ連などを参加させない「片面講話」。そして同日、米軍の日本駐留と基地使用を認めた日米安全保障条約を締結。そして、沖縄を日本から切り離し、引き続き米占領下とした。このサンフランシスコ講和条約、日米安保条約によって、日本は米国の戦略に組み込まれ、同時に米国のアジアにおける戦略基地の役割を担わされることになる。

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