20010625

「改革政治」と真っ正面から対決し、
都民各層が広く団結して、大衆行動で闘えば、
都政を都民の手に取り戻すことは大いに可能である

東京都議選の結果について

日本労働党東京都委員会


 労働党東京都委員会(秋山秀男委員長)は六月二十五日、二十四日に投開票された東京都議会選挙の結果について、談話を発表した。

一、自民党は、「小泉効果」で都議会第一党の座を得た

 構造改革を掲げる小泉政権誕生後、初めての国政選挙である七月二十九日実施の参院選の勝敗、したがってまた、「小泉改革」の今後の行方を占うものとして全国的に注目された東京都議選が終わった。
 すでに明らかなように、大都市東京における、自民党の退潮への歯止め、民主党の勢力伸張に影がさしたこと、共産党の敗退、という結果となった。
 自民党は、参院選の前哨戦であるこの都議選で都民(有権者)の二割近く(絶対得票率一七・七%、得票総数百七十万票)の支持を得、二位の共産党(同七・七%、得票総数約七十四万八千票)以下の各政党に大差をつけて、勝利した。
 自民党の勝因は、「小泉効果」に尽きるといえる。
 多国籍企業や大銀行など、構造改革でメリットを得る社会的勢力はいうまでもなく、それに九〇年代に自民党から離反した人びと(伝統的に自民党の支持基盤であった都市の中小零細商工業者、および経済大国化と共に新たに生まれてきた、都市の豊かな部分の双方から成り立っている)のうち一部の人びとが、構造改革を唱える小泉首相に共鳴し、再び自民党に支持を与えたといえる。

二、野党は闘わずに破れた

 野党は、民主党も共産党も、石原都政・小泉政権の「改革政治」と真っ向から闘うことをせず、当初からその敗北は予測されていた。
 民主党は、「改革のスピードを競う」程度であり、基本的に「小泉改革」の応援団でしかなく、これで勝てるわけがない。
 共産党は、石原都政に対して「是々非々」で闘わず、また小泉の改革政治に対しても有力な対抗構想を出せず(消費税の三%への引き下げ程度の政策しか出せず、本当に「物乞い」政治の域にある!)、その上、民主党に競り負けて議席を激減させた。
 旧社会党時代に都議会第一党の座にいたこともある社民党であるが、都政史上初めて「議席ゼロ」となり、惨敗した。改革政治に対して、「がんこに平和」だけでは勝てないことが明らかとなった。
 社民党が根本から、かつ真剣に総括し、労働運動と結びついて首都における社民勢力再構築の道を堂々と歩むことを強く望む。

三、選挙は茶番劇でしかない

 森政権の下で都議選が行われていれば、自民党は四十議席を切り、敗北することが予測されていた。それが、小泉政権になって自民党は、一夜にして(まったく何もしなかったにもかかわらず)「勝利」を手に入れた。
 野党が、闘わずまったく無力だったからであるが、それにしても、選挙とはしょせんこんなものでしかない。
 事実は「選挙で政治は変わらない」ことを明らかにしている。これは苦い真実であるが、都民とりわけ労働者階級が、次第にこの教訓を受け入れることを強く望みたい。

四、連携して「改革政治」と闘おう

 自民党は確かに大都市・東京で退潮への歯止めを見せているが、しかしそれは不安定である。
 投票率(五〇・〇八%)一つとってみても、都民(有権者)の半分は小泉改革に白けているか、ウサン臭く思っていることは明らかだ。
 「小泉改革」が具体化するにつれ、東京を拠点とする多国籍企業・大銀行など構造改革で利益を得る支配層を除いて、倒産、失業、転廃業など「痛み」を押しつけられる都民各層の多くの人びとが「小泉改革」への幻想をうち破られるだろう。そして政治不信はいっそう高まり、不満が広がるであろう。
 また、参院選後に「小泉改革」がいよいよ本格化する中で、わが国支配層内部の利害対立も激化し、あるいは亀裂が広がるが、それは保守勢力を含む鋭い政治的な闘争として早晩表面化するであろう(すでに自民党内部の対立として一部に顕在化している)。
 したがって、わが国支配層の政治支配を打ち破ることを望むものにとっては有利な状況が広がり、闘いが発展するチャンスが訪れつつあるといえる。
 「小泉改革」(石原の都政改革も含めてであるが)への政策的な対抗軸を出し、労働者階級を中心に都民各層が広く連携して断固たる大衆行動で闘うことができれば、事態を積極的に打開できることは明らかである。
 われわれ労働党東京都委員会は、そのためにいっそう汗を流すものである。
 都民の皆さん、連携して闘おう。

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