20010425

第72回メーデーに際して
全国の労働者に訴える

日本労働党中央委員会


 労働者のみなさん! 二十一世紀最初のメーデーに当たり、わが党は熱烈な連帯のあいさつを送ります。
いまほど勤労国民の中に、政治の転換を求める声があがっている時はありません。現在のように米国追随のまま、多国籍大企業のための政治を続けるのか、それとも米国追随を脱却して国民大多数のための政治に転換するのか、わが国の進路をめぐって二つの道が鋭く問われています。自民党主導の売国・腐敗の財界政治を一新させるべき時です。
 自民党による長年の戦後政治の結果、わが国の経済・財政は破局の瀬戸際にあります。国民生活の犠牲増大とともに不満と怒りは充満し、国民の自民党離れは進み支配層はかつてない困難に直面しています。労働者階級はじめ勤労国民が断固闘い、政治の根本的転換を図るときです。
 わが党は、みなさんが自らの雇用・生活危機突破のために闘うだけでなく、勤労国民の先頭に立ってわが国政治を根本的に転換し、労働者階級の完全解放に向けて偉大な前進を闘いとられるよう訴えます。

1、
 情勢は、私たちの闘いにとってきわめて有利で、支配層にとっては非常に困難な時です。
 自民党主導の政治の行き詰まりは、国民経済、外交など各方面でもはや誰の目にもはっきりしています。
 不況は深刻化するばかりで、経済・財政は破局の瀬戸際にあります。その中で多国籍大企業は、国際競争に打ち勝つために、これまで大規模なリストラを強行し、自らは二ケタ増の収益を上げてきました。その結果、倒産、失業、所得減、労働条件切り下げなど、犠牲はすべて勤労国民に押し付けられてきました。
 財政は、国と地方の長期債務残高が六百六十六兆円と「まさに破たん状況」です。それは、行財政改革、社会保障改革などと称して、住民サービス切り捨て、公務員削減、高齢者負担などと犠牲が転嫁されてきました。
 外交・安全保障でも、アジアと敵対する米国の「東アジア戦略」にしばられ、最近の集団的自衛権行使キャンペーンに見られるように、いっそう米国への軍事協力を強いられようとしています。国民にとって屈辱的な結論が出たえひめ丸事件について、米国に抗議一つできない日本政府の態度は、対米従属の最たるものです。対アジアでも、日本・中国関係は最近では最悪の対立状況にあり、朝鮮民主主義人民共和国との国交問題も米国の動向待ちでしかありません。米国従属はそのままで、近隣諸国との友好など及ぶべくもありません。
 こうした対米従属、財界本位の政治・経済を、独立・自主の進路、国民大多数が豊かになる政治へいまこそ根本から変えるときです。二十一世紀、アジアと共に生きることで平和と繁栄を確保するため、安保条約を破棄し、独立・自主の民主日本を建設しよう。
 支配層には、いま国際競争に打つ勝つために、大銀行の不良債権処理など構造改革の断行が迫られています。断行すれば、一部大企業の淘汰(とうた)も含めさらに大規模なリストラ、倒産、失業などが必至です。それは、さらに自民党支持基盤の崩壊につながり、国民の抵抗も強まるというジレンマに立たされ、かれらは混迷の度を深めています。
 それらの深まる危機を背景に、九〇年代はじめの政治再編より大規模で、深い保守の政治再編を招かざるを得ないでしょう。
 敵が不利な情勢のもとで、私たちが国民の怒りを基礎に断固闘えば大きく前進できるに違いありません。

2、
 七月といわれる参議院選挙が近づき、自民党は森首相の首をすげ替えて小泉総裁で参院選を乗り切ろうとしているものの、早くも「自民苦境」すらうわさされています。
 この局面は、本来、闘おうとするものにとってチャンスです。
 野党各党は、自民党政治を本当にうち破ろうとするなら、売国・腐敗の現在の財界政治に対し、あいまいでなく明確に対立する政治方向を指し示す必要があります。直ちに院外に出て労働者と国民各層に大衆行動を呼びかけ、大衆の高まる怒りとエネルギーに依拠して政局転換を図るべきです。
 しかし熱中したのは、参議院選挙の準備と選挙協力でした。しかもそれは自由党の小沢党首が主導し、国民の自民党政治に対する高まる批判に便乗して、「反自民」「野党連合政権」の旗の下に、民主党、社民党を広範な選挙協力に引き入れるというものでした。
 鳩山民主党は、「野党」とはいえ、決して労働者や国民多数の利害を代表する政党ではありません。その中枢は、小沢氏と密接に連携し、野党連合政権の主力部隊としての役割を演じようとしています。
 経済政策では、「官から民へ」「中央から地方へ」を掲げ、財界が望む「構造改革」の徹底的推進を図ろうとしています。それは、現在も進むリストラなど国民犠牲に拍車をかけることです。鳩山代表は公然と「自民党と政策的にそう差があるわけではない。改革を断行する覚悟と勇気があるかどうかだ」と言い、財界への忠誠度を競っている始末です。
 鳩山代表が、昨年来「集団的自衛権行使の容認」を公言し、憲法改正の必要を説いてきたのは天下周知の事実です。最近では、李登輝の訪日ビザ発給を「積極的に認めるべき」と述べて、中国への内政干渉を働きました。
 鳩山らは、明らかに財界のための二大政党制を戦略的に画策しており、いささかの幻想も抱くことはできません。
 社民党中央は、民主党、自由党との選挙協力を進めていますが、もし目前の議席の増減だけに目が奪われ、二大政党制の構築という戦略的狙いをもつ小沢らに追随するなら、九三年以降の社会党解体と同じか、もっと惨めな道を歩むことになるに違いありません。それは、支配層のための政治再編に手を貸す犯罪的役割にほかなりません。
 共産党は、昨年の二十二回大会以降も、財界に対し「安心できる政党」として売り込み、一段と月並みな政党に転落しました。共産党は、政権参加時には安保、自衛隊政策をたな上げすると表明しており、したがって、選挙結果を踏まえて野党連合への追随はおおいにあることとして警戒しておかねばなりません。こうして、保守支配の危機を「左」から支えようとしています。
 鷲尾ら連合指導部は、こうした政治状況のもとで「民主党基軸」で、「自民党政治の転換」、二大政党制の実現を積極的に推進しようとしています。これは、労働者階級への裏切りで、財界に呼応する犯罪的役割です。指導部のこうした方針を容認すべきではありません。

3、
 危機の深まるこの時代、参院選など選挙にすべてを託すわけにはいきません。事態を本当に打開する最も確かな道は、断固たる大衆的な行動です。
 年初来、九州の五千人以上の有明漁民は生活を守るために、断固行動に立ち上がりました。こうした闘いにこそ、学ぶべきでしょう。青森・三沢の漁民も米軍の漁場荒らしに抗議して漁船デモを行い、沖縄では相つぐ米軍犯罪に対し、県民が抗議集会に再三立ち上がっています。
 労働運動でも、JAMミツミユニオンの反リストラ二十四時間スト、ゼンセン・クラレ労組の春闘十二時間スト、中小の粘り強い闘いなど、現場には怒りとエネルギーが満ちあふれています。断固たる闘いこそ、事態を揺り動かすものです。
 同時に、財界の政治、保守勢力による二大政党制の画策をうち破り、国民大多数が望む政治刷新を実現しようとする連合内外の労働者、労働組合、社会民主主義勢力を含む闘う人びとは、現状の野党への幻想を捨て、断固闘いに決起するとともに、共同の努力で政治戦線を形成することがますます求められています。広範な団結の中に道を求めれば、そこには新たな勢力結集の条件があります。
 断固たる闘争を準備しよう。危機の時代、断固たる闘争だけが、だだ一つの確かな勝利の道を切り開く。
 米国追随・大企業優先の政治の転換。安保条約を破棄し、アジアと共に生きる民主日本を建設しよう。
 迫りくる重大な情勢に備えるために、労働者階級の強大な政党、日本労働党を建設するために、共同の努力、結集を訴えます。
 労働者のみなさん! ふるい立って偉大な前進をかちとろう。