20010425

教科書採択問題

都教委通知の撤回求め陳情

日本労働党東京都県委員会


 党東京都委員会(秋山秀男委員長)は教科書採択の権限は各教育委員会にあるとした都教育委員会が出した通知の撤回を求める決議の採択を求める陳情書を都と二十三区、二十七市の各自治体議長に提出した。以下はその要旨。

 二〇〇一年二月六日付け東京都教育委員会委員長名の「教科書採択事務の改善について(通知)」は教科書採択にあたって各教育委員会が採択者であるかのように扱い、教師や学校の意向を無視しようとしています。従って貴議会において即刻「通知」の撤回を求める決議をあげるよう求めます。
 本通知では各教育委員会が教科書採択者であるかのように言っているが、教師や学校の意向を排除しようしている。これは、「九七年通知」で教科書採択にあたっては学校単位やより多くの教員参加の方向での改革を提言していることを意図的に無視しており、決定違反である。
 教科書採択は教師を中心に、保護者や子どもの意見も参考にしながら行われるべきものである。
 教科書採択にあたって最も重要なことは、日本国憲法・教育基本法の精神を踏まえて作成されているかどうか、また教科書がそれを使用する学校・教師・子どもに適しているかどうか、という点である。
本通知ではこの点を無視し、学習指導要領が「最もよく踏まえている教科書を選定するなどの観点が必要」としている。しかし、採択の対象となる教科書はすべて検定済教科書である。文部科学省は教科書検定基準(学習指導要領を取り込んで作成)に則して検定を行っている。したがって、「学習指導要領が選定する観点」とする必要はないのである。
 本通知は「例えば」として、中学校社会科・歴史分野の「歴史的事象に対する関心を高め、わが国の歴史の大きな流れと各時代の特色を世界の歴史を背景に理解させ、それを通して我が国の文化と伝統の特色を広い視野にたって考えさせるとともに、我が国の歴史に対する愛情を深め、国民としての自覚を育てる」などの目標を引用しているが、これは、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書に採択の道を開くことを意識したものであり、絶対に認めることはできない。