20010225・解説

根源は安保・米軍に
 これ以上の横暴を許すな

こんなに起きた米軍犯罪・事故


 米原潜による実習船「えひめ丸」への衝突・沈没事件に象徴されるように、米軍が引き起こす犯罪・事故は、わが国国民に多大な犠牲を強いている。米軍が世界中をわが物顔でふるまう限り、このような犯罪・事故は決してなくならない。加えて、昨年発表されたアーミテージら超党派の元国防次官補提言にあるように、米国はわが国に英国並みの同盟関係を求めてきている。米国は、先のイラク爆撃に象徴されるような侵略行為に、わが国を引き込もうというのである。これは、まさに亡国の道である。対米追随を脱却し、アジアと共生する進路を実現するためにも、日米安保条約を破棄し、米軍基地を撤去させる国民運動が求められている。


 別表のように在日米軍は、まさに犯罪と事故の根源となっている。しかも、これはこの一年程度、沖縄におけるものだけであり、かつ主なものものだけである。被害者が「泣き寝入り」しているもの、米軍によるものと思われるがハッキリしない山火事などを含めれば、事件の数ははるかに多くなることは疑いない。
 過去を振り返れば、五五年の由美子ちゃん(当時五歳)暴行殺害事件、九五年の少女暴行事件など、わが国民に対して、米軍がはかりしれない苦難を強いていることは一目瞭然(りょうぜん)である。
 とくに、在日米軍基地の七五%が集中する沖縄の負担は過重だ。沖縄に駐留する海兵隊の犯罪率は、米国内に駐留する部隊の二〜四倍という数値もあるほどである。にもかかわらず、米軍高官は繰り返し「犯罪率は〇・五%以下に過ぎない」などとし、運動体やマスコミ、政治家が「反米宣伝に利用している」せいだと開き直っている。このように、わが国を愚弄(ぐろう)する米軍に対し、沖縄県民をはじめとする国民の怒りが高まるのは当然のことである。
 だが、政府・与党はわいせつ事件に対して「政府がどうこういう話じゃない」(森首相)などと言い、おずおずと「日米地位協定の見直し」を主張することでお茶をにごそうとしている。それどころか、米国につき従って有事法制整備に突き進もうとしているのである。まさに、「売国奴」といわねばならない。また、自民党以上の親米ぶりを誇示する民主党、訪米(米国の認知)を熱望する共産党にも期待できない。国民各層が広く連携し、断固とした大衆行動を起こすことこそが、事態を動かす道である。


沖縄における米軍犯罪・事故

【2000年】
1月
5日 嘉手納弾薬庫のボイラー室からディーゼル油が漏れ出し、周辺下河川に流出。
6日 伊江島補助飛行場で実施されたパラシュート降下訓練で、海兵隊員3人と物資が基地フェンス外の牧草地に落下。
14日 沖縄市のディスコで、普天間基地所属上等兵が女性に対し乱暴しようとして逮捕される。
2月
4日 那覇市沖上空で、民間機と米軍ジェット戦闘機のニアミスが発生。
4月
18日 実弾演習によって、名護市のキャンプ・シュワブ内で原野火災が発生。
27日 宜野座村沖合のモズク養殖場内を、海兵隊所属の水陸両用車が連絡なしに航行。
5月
23日 キャンプ・シュワブ所属の海兵隊員が、東村のサトウキビ畑でライフル射撃訓練。四輪駆動車によって「うね」が破壊される。
29日 宜野湾市の水路に、キャンプ瑞慶覧から5リットルの油が流れ出す。
31日 米軍が劣化ウラン弾の薬きょう数百発を、沖縄県内の鉄くず業者にそれと知らせずに売却。野ざらしされていたことが明らかになる。
6月
23日 キャンプ・ハンセン内演習場で、実弾射撃訓練による火災が発生。
7月
3日 普天間基地所属の海兵隊員が沖縄市のアパートに侵入、女子中学生にわいせつ行為。
9日 沖縄市内で嘉手納基地所属米兵がひき逃げ事件。
23日 東村で、米軍のパイプなど数トン分の産業廃棄物が不法投棄されていることが判明。
8月
4日 普天間基地に、KC130空中給油兼輸送機がエンジントラブルで緊急着陸。
17日 在沖米軍、所在地市町村などに「統計上、米軍は法律を非常によく守る地域住民」「プレスによって、誤って報道されている」とする文書を配布。
20日 沖縄市で、キャンプ・ハンセン所属の海兵隊員が、3カ所で当て逃げ事件を起こす。
25日 宜野湾市のキャンプ瑞慶覧内から燃料油が流出。
9月
21日 金武町のキャンプ・ハンセン演習場内で火災が発生。
11月
29日 嘉手納署、大麻取締法違反容疑で米軍人を逮捕。
12月
28日 与那城町の町役場北側に、普天間基地所属のCH46ヘリが不時着。
【2001年】
1月
8日 金武町で、米海兵隊員が女子高校生への強制わいせつ容疑で逮捕される。
12日 キャンプ・ハンセンの元司令官が、米兵の犯罪は「米軍のプレゼンスに反対する政治家が事件を宣伝している」などとと述べる。
14日 国頭村で、海軍兵2人が女性に殴りかかり負傷させる。
16日 金武町のパーキングエリア付近に、米軍が野戦用水筒バッグを多数落とし、通行を妨げる。
2月
2日 フォーリー駐日米大使、「(米兵)事件報道は、時に非常に感情的なことがある」と発言。
4日 駐車場から貨物車を盗んだとして、嘉手納基地所属の三等軍曹が逮捕される。
6日 在沖米軍のトップであるヘイルストン四軍調整官がメールで、稲嶺沖縄県知事らを「ばかで、腰抜け」と愚弄。
13日 北谷町の小料理店などに連続放火した容疑で、沖縄署がキャンプ・ハンセン所属の海兵隊上等兵の身柄を引き渡しを要求。しかし、米軍は引き渡しを拒否。
17日 北谷町で、陸軍特殊作戦部隊(グリーベレー)兵士が、酒によって通行車とパトカーを破壊。
21日 具志川市のキャンプ・コートニーで、米軍人が30年以上にわたり海に向かってクレー射撃をしていたことが判明。