20000825


神奈川県 県民、法人へ大増税計画

自動車税、税率20%引き上げ
自動車、運輸業界、労組などが一斉に反対

広範な県民の力で阻止しよう


 岡崎洋・神奈川県知事は七月、財政健全化のため税制改革基本構想案を発表し、来年度から自動車税の超過課税措置を導入する方針を打ち出した。県に登録されている個人、法人所有の約二百九十万台が対象となる。超過課税措置によって、税率を現在より二〇%アップし、増収見込みは年約百九十億円といわれている。だが、県は大企業などの法人税については、課税枠いっぱいの課税をすでに中止し、実際上、大企業には「減税」を行っている。また、財政赤字については、その責任も明らかにせず、県民全体への増税など許されない。石原東京都知事による、銀行への外形標準課税導入以来、赤字自治体は独自課税をさまざま計画している。だが、財政をつかってもうけてきた大銀行、大企業などへの課税はともかく、県民や中小商工業者への広範な課税などすべきではない。こうした自治体の攻撃とは断固として闘わなくてはならない。すでに自動車関連、運輸業界や連合などの労働組合も増税反対の声を上げ始めている。こうした中で、労働党神奈川県委員会は、県下各地で増税反対の宣伝を展開している。


神奈川県党のビラ

県民犠牲を許すな
 岡崎県知事は、大増税計画を検討中です。来年度から県税である自動車税の税率を引き上げる方針です。これまでは全国共通の標準税率であったものを、県独自で新たに「超過課税」措置を導入し、税率を標準の一・二倍にするというものです。要するに二割の増税です。
 つまり自動車を保有する県民は自家用車で年間一万円前後の増税です。

県民の苦しみ分からぬ知事
 岡崎知事は「月で考えれば約七百円」と言うが、苦しい県民生活の実情が分かっていないと言わざるを得ません。ここ数年、収入が減少し(統計でも勤労者の全国平均は二年間で三・五%の減少)、苦しい生活を強いられている県民、とくに失業者など念頭にあるのでしょうか。ぎりぎりの経営努力で何とかやっている商工業者や運送業者には、大変な負担増です。
 さらに「水源環境税」というような新税をつくり、水道料金に上乗せすることなども検討中です。大増税計画が控えているのです。
 県民犠牲の自動車税増税に反対しよう。

各界に広がる反対の声
 労働組合の連合などの団体も「慎重に」と不満を言っています。
 県財政が赤字というのであれば、何のために使われた赤字か、責任はどこにあるのかはっきりさせなければなりません。県民には責任はありません。財政で「もうけた」人びとこそ税を負担すべきです。銀行や一部大企業は税金でばく大な支援が行われています。いま、誰のための県政か、問われています。


県の大増税案に反対する
自動車税の超過課税措置に対する陳情書(要旨)8月


神奈川県自動車販売店協会/神奈川県中古自動車販売協会/神奈川県自動車整備振興会/神奈川県軽自動車協会/神奈川県自動車整備商工組合/神奈川県バス協会/神奈川県タクシー協会/神奈川県トラック協会/神奈川県自家用自動車協会/日本自動車連盟神奈川支部/神奈川県自動車会議所

 私ども自動車関係の各団体としては、以下の理由により自動車税の超過課税措置について反対いたします。

1、現在自動車ユーザーには合計9種類もの複雑な税金が課せられており、そ の負担水準は極めて高いものがあります。また各税目の内容を見ても二重課 税や暫定税率の継続など、不合理性もうかがえます。
 このような問題点をそのままにし、さらに重課措置を課すことに対しては到 底ユーザーの納得は得られないでしょう。たとえ地方税法上認められている 自動車税に関することとはいえ、まずは現行自動車関係諸税の簡素・軽減こ そ急務と考えます。
2、略
3、今回の自動車税超過課税による税収の使途として「環境」や「安全」に配 慮した「道路交通システムの整備」が掲げられています。私どもとしてもこ の種の計画についてはすべてに反対するものではありませんが、安全対策や 交通システム整備、道路整備の財源は、まず既存の歳入レベルを前提に優先 順位をつけ重点投資配分すべきものではないかと考えます。これらの見直し をせず自動車税の重課分に財源を依存すべきではないものと思います。
4、貴職におかれても歳出削減にさまざまな努力をされていることは重々承知 しておりますが、財政収支の不均衡是正に向けて、まず第一義的にはさらな る歳出削減の努力と所得税の捕捉率の向上、さらには地方交付税の配分見直 しなどが考えられます。
5、長い不況もようやく回復の兆しを見せ始めた昨今ですが、当県の経済に  とって自動車関連産業(製造、販売、整備、運輸など)は大きなウエイトを 占めています。せっかく上向きかけた個人消費に水を差しかねない今回の提 案についてはぜひご再考くださるようお願いいたします。


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