20000515


共産党 資本主義美化し、「連合政権」狙う
メーデーでも大企業との闘争回避を宣伝

労働運動からたたき出せ


 共産党は、総選挙を目前にして野党政権を狙い、米欧資本主義を絶賛し、支配層への恭順の意をさらに強めている。共産党の不破委員長のメーデーでのあいさつは、労働者の闘いを選挙に流し込むことを訴え、そのトーンをいっそうあげている。共産党は第二十一回大会で政権入りのために支配層に恭順の意を示すことを決定したが、その堕落ぶりは急展開している。社会党解体後、共産党は労働者の味方のふりをしているが、それは労働運動を選挙に従属させ、労働者の闘いを台無しにする有害なものである。大衆闘争を発展させ、共産党の裏切りを打ち破らなければならない。


米欧資本主義を絶賛

 全労連の第七十一回メーデーで、不破委員長はあいさつを行った。
 不破は、「今年のメーデーは特別の意味があります。総選挙を目前にしたメーデー」で、「流れを変え、国民と心の通う政治をおこすために、労働者の団結の力を思う存分に発揮しよう」と述べた。
 そして、どのような政治、社会をつくるのかについては、「労働者の雇用を守るルール、中小企業を守るルール、無謀な開発から守るルール――多くの資本主義国ですでに当たり前のことになっている世間並みのルール、国民の暮らしと権利を守るルール」をつくりあげようなどと述べている。
 不破によれば、労働者の雇用を守るルールが米国など多くの資本主義ですでに当たり前になっている。だから、日本を欧米並みの資本主義国に変えよう、というのである。
 だが、ルールある資本主義国はどうなっているのか。イタリアでは失業率一一%、間もなく解雇制限法撤廃の国民投票を実施。フランス、失業率一〇%で約二百五十万人が失業。ドイツでは失業者三百五十万人以上。米国では、失業者数は日本の約二倍。健康保険なし四千万人。栄養失調世帯三百七十万世帯(三・六%)。これが実態である。
 しかも、国際的な大競争によって欧米の大企業は、合併とそれに伴う合理化やリストラを大規模に進めている。だから、欧米では労働者のストやデモがひん発している。
 日本も、国際的な大競争に生き残るために、労働者への犠牲や社会保障の切り捨てなどを進めている。
 だが、共産党は、欧米資本主義を絶賛し、資本主義と正面から闘おうとしないのである。根源である資本主義には手を付けないことを宣言しているのである。これなら、支配層も安心するというものだ。
 そして、今回のメーデースローガンから、「合理化」「リストラ」「首切り」「労働者保護法」という言葉を抹殺した。「サービス残業なくし、労働時間短縮で雇用拡大をはかれ。解雇規制法の制定を。雇用保険改悪反対」を一番目に出し、大企業との闘争を見事に避けた。
 全労連すら、そのメーデースローガンは「大企業のリストラ『合理化』反対、解雇規制・労働者保護法の制定を」である。共産党のスローガンとは対照的だ。

民主党を美化する共産党

 では、共産党はそんな「政治」をめざすと共に、どう政権を取ろうとしているのか。総選挙躍進をめざす全都党と後援会決起集会(三月三十日)での不破委員長演説をみてみる。
 「民主連合政府をめざしているけれども、そこにゆく以前に野党の連合政権ができる条件ができ、自民党の政治にかわる『よりまし政治』ができる見通しがあるならば、その政権をつくる協議に加わる用意がある」「野党の現状はだいぶ道筋がとおりやすくなりまして、去年の十一月の初めから、きちんと共産党もくわわった野党共闘ができるようになりました」。
 つまり、民主党との連合政権に加わりたい、ということである。そして、昨年から「野党共闘」ができたことや党首会談の実現を高く持ち上げている。
 仮に選挙で民主党との連合政権ができたとしてもどうなるのか。民主党は、「反自民」という看板で財界のための政治を支えている。その民主党と連合政権をつくっても、決して労働者や中小商工業者など国民諸階層の利益を守ることができないのは、明らかである。
 共産党は、財界のための政治を支える民主党を批判もせず、美化し、ズルズルと追随している。まさに犯罪的である。
 こんにち共産党は、労働者の味方づらをしている。だが、共産党は政権欲しさに堕落を続けている。労働者階級は、共産党を信じてはならない。共産党の裏切りを許さず、労働運動からたたき出し、雇用や生活などの要求実現のためにストライキなど自らの力で闘おう。
 選挙で世の中変わらない。労働者階級を先頭にした、広範な統一戦線だけが、政治を転換できる力である。


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