各界新年メッセージ


闘いこそ生きる道をつくる

全日本建設運輪連帯労働組合

関西地区生コン支部執行委員長

武 建一


 新年明けましておめでとうございます。「もう新年か」と思う程、昨年は多忙な実に成果の多い一年でした。

 「嵐は若木を鍛え育てる」といわれますように、中小企業の倒産が続出し、とくにわれわれの職場である建設産業では九七年上期を見るだけで二千三百十五件も倒産し、戦後最大の記録となっています。加えて特別減税廃止、医療費負担増、消費税率の引き上げは国民生活を直撃し、国民の生活と権利、雇用への徹底的な抑圧を強めてきました。

 さらに日本の進路をめぐる間題として日米新ガイドライン、有事立法、弾圧立法である組織的犯罪対策法の制定策動など、国民の平和と民主主義への願いに対する敵の攻撃が一段と強まった年でした。

 このような敵の攻撃に対し、「嵐の過ぎ去るのを待つ」として闘わない立場の勢力は衰退の道しかないことがよりはっきりした年でもありました。

われわれはこの間、労働者の団結力を堅持しながら自らの組織拡大に取り組み四十六拠点を新たに拡大するという一定の成果をあげ、権利侵害を受けている仲間たちとの連帯行動を組織し、拠点闘争での勝利を獲得したこと。

 九七春闘においては、年間労働時間千八百時間以内、週休二日制を実現したこと。年間所得の格差是正に向け、八十七社との合意形成が実現したこと。そして何よりも大阪兵庫生コン経営者会(約百四十社加入)との間において、同会が「労働組合上でいう使用者団体であり交渉権・妥結権を確保する」として産業別交渉、協定書締結を可能にする合意が成立したこと。

 また最も重要な成果として、大企業の収奪政策により中小企業が倒産を余儀なくされていた生コン業界の再建に向け、産業政策をもとに取り組み、事業協同組合への加入促進運動による中小企業協同組合への各企業の加入が大阪・京都・奈良で九〇%以上確保できたことなど、大きな成果を築いてきました。

 このような中で、各中小企業協同組合と販売店、ゼネコンとの取引関係が改善され、適正価格の収受、手形決済から現金回収等の大きな前進がみられ、中小企業倒産も危機を脱出しつつあります。

 われわれの運動は労働者の生活と権利、雇用権を守り発展させるためにメーカー、親会社、背景資本、行政との闘いを避けることはできません。 ところがこうした運動に対し権力側は、「日本的労使関係は企業別しかなじまない」とか、「企業の枠を越えた運動は全て弾圧の対象だ」として、今進められようとしている組織的犯罪対策立法の先取りとして、いずれも不当労働行為の責任追及を親会社に求めた行動に対し、九七年には計十五名に及ぶ仲間を不当にも逮捕しました。

 この敵の攻撃の本質は、政府が進める国民への犠牲転嫁の攻撃が多くの仲間の団結条件をつくりだし、やがて政府の政策転換を余儀なくされることを最も恐れているものであることは明らかであります。今回の攻撃で交通労連生コン産業労働組合との共闘体制が一層強化されたこと。中小企業との政策共闘が前進した事実は、「闘いこそ生きる道をつくる」ものであったことを実証しています。

 新年は労働者間の団結を軸に置きながら、大企業の収奪による厳しい立場に立たされている中小企業との統一戦線形成に全力を尽くし、全国各地域における政府・大企業への国民的反撃の年です。「打てば響く」手ごたえを感じながら新年を迎えています。

 金・人・情報が国際化した社会の中にあった国際連帯運動も極めて重要な年です。皆様とともに新たな闘いに挑戦する年として頑張る決意です。(抜粋)


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