日本大学法学部教授・不公平な税制をただす会代表
北野 弘久
明けましておめでとうございます。
昨年は、日本国憲法施行五十年の年でした。この記念すべき年に日米安保条約の新ガイドラインが締結され、国会を通さないで、日本国憲法、自衛隊法、さらには日米安保条約それ自体をも空洞化させる「既成事実」がつくられました。
そして、そのような歴史に逆行する軍事大国化の流れを財政的に支える消費税の引き上げが実施されました。
二十一世紀は、平和・福祉の日本国憲法の時代で なければなりません 。
日本国憲法は、その国の財政収入のほとんどを租税に依存する租税国家体制を採用しています。租税国家では、私たちの生活・人権・平和なども税金問題の処理の仕方によって決まることになります。平和・福祉の日本国憲法を維持していくことが、私たち日本人に課せられた国際的責務といえます。
そのためにも、租税国家である日本の政治を監視(ウォッチング)し、統制(コントローリング)するために、納税者(タックスペイヤー)の権利を法的に保障することが大切です。
新年は、この面で微力を尽くしたいと念じております。
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