各界新年メッセージ


ガイドライン反対など国民的課題で運動広げる

自主・平和・民主のための広範な国民連合・代表世話人

槙枝 元文

 


 明けましておめでとうございます。

 日本はいまや、政治も経済も世相も悪化の一途をたどっているように思えてなりません。

 中小企業の倒産、金融機関の破たん、失業者の増大、それに加えて日米防衛協力に関する「新ガイドライン」をみる時、日本の未来に絶望をさえ感じざるを得ません。

 民主主義の砦(とりで)と思っていたマスコミも、かつては「小選挙区比例代表制」という党利党略による選挙制度の改変を、さも政治改革かのごとく一大キャンペーンをはり、今回はまた一府十二省という政府機関の組織いじりを、さも行政改革かのごとく持ち上げ、日本の将来にかかわる「新ガイドライン」の恐るべき内容については国民に啓発しようとする姿勢がみられません。これではマスコミをも含めた国民総与党化現象とさえ思われます。

 政府は昨秋、名護市の振興策は米軍の海上航空基地(ヘリポート)の受け入れという前提条件を突きつけましたが、これは馬の鼻先にニンジンをぶら下げるがごとき侮辱で、名護市民にあらずとも怒りを禁じ得ないでしょう。

 つい最近まで財界人は「日本の政治は劣等生だが経済は優等生だ」と胸を張っていましたが、ひと皮むいてみれば、一流金融機関や四大証券の醜態にみられるように、粉飾決算、二重帳簿、簿外債務などにより表面を糊塗(こと)したに過ぎない悪質な劣等生でした。

 また「新ガイドライン」は、日本列島を永久にアメリカのアジア戦略のための米軍基地化し、アジア太平洋地域のどこかで紛争が起こり、米軍出動となれば日本はその後方支援と称して、武器・弾薬・医療・食糧などの補給・輸送の任を担わされ、日本国内の民間空港・港湾も米軍に優先使用され、自治体も民間企業もこれに協力を余儀なくされるという。これでは、まるでかつての総動員令下そのものではないでしょうか。

 日米安保条約は本来、日本の平和と安全を保障するためと国民は信じこまされてきましたが、いつのまにかアジア太平洋地域の平和と安全のためへと拡大され、自衛隊の海外派遣にさえ道を開くことになるでしょう。

 私たち自主・平和・民主のための日本の進路を求める国民各界・各層の人びとが結集する「広範な国民連合」は、これら国民的諸課題に対応して、日一日と地道に運動を広げています。


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