99年各界新春メッセージ


夢を育てる業界にしよう
全国電機商業組合連合会会長  福田 勝亮

 新年あけましておめどうございます。

 昨年は出口がなかなか見えない消費不況が続いた一年でありました。

 昨年末に、経済企画庁は、景気に「変化の胎動」を感じると上方修正の発表をしていますが、依然として金融不安や戦後最大といわれる四・三%の失業問題、中小企業の毎月一千六百件を越す倒産など、変化を感じないまま越年したことをみると、本年も実際には厳しい状態が続くものと考えなければならないと思います。

 家電業界もメーカーの中には合理化を行いつつ、決算は損失金を計上しなければならない状況であり、また、流通業界全体を見回しても、薄利多売で拡大路線を続けてきた大型店の中でも閉店などという事態を迎えています。

 私ども地域電機店は、消費不況と大型店が無秩序な商法を続ける最悪な環境の中で、昨年は長野冬季オリンピック、またW杯サッカーの機会に、得意分野で今後普及および期待ができるハイビジョンキャンペーンを実施し、多くの消費者に地域店の底力を発揮するなどおおいに健闘しました。

 全国電商連では家電流通産業界の公正な競争環境を確立するために、法律を無視し、ルールやマナーを破壊し、無秩序な商行為、商モラルの欠如に対し、き然たる姿勢で、国会並びに行政への陳情を繰り返し、さらに関係団体と連携し精力的に活動を続けています。

 昨年、電機専門紙協会主催の講演会を拝聴しましたが、その際に消費者から、「かつて家電製品は消費者に夢を与えてくれた、今はバナナの叩き売りみたいだ」と言っておられたことが非常に印象的でした。

 家電業界にたずさわる者、皆がこの言葉をわがことと受けとめ、「夢」の持てる業界にするためにいっそう充実した活動を行いたいと考えています。

 家電業界は「地球環境」「資源の有効活用」という社会的使命を果たさなければならす、特に二〇〇一年に施行される家電リサイクル法への対応は各方面から検討しなければならない大事な年になります。

 また流通面も、大店法は二〇〇〇年に廃止され、新法「大店立地法」が施行となりますが、組織を強固にして今までの経験をいかし、活動を行う必要があります。

 本年度も業界内外にわたって課題が山積しています。

 この課題の一つひとつがいずれも、二十一世紀を見据えた大事業であることは申すまでもありません。今こそ「一人ひとりの行動」が重要であります。

 各位のいっそうのご支援、ご協力を切にお願い申し上げ、新年のごあいさつとします。


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