991125


女性訪朝団が報告会

すみやかな国交回復を

ガイドラインでなくピースラインを


 日本と朝鮮をつなぐ女性のピースライン訪朝団主催の「見てきた朝鮮、女たちが語ります」が十一月十七日、東京で開かれた。これは、同訪朝団の九月十六〜二十三日にわたる朝鮮民主主義人民共和国訪問について、各地で行っている報告集会の一つとして取り組まれたもの。
 会の冒頭では、訪問団の行程の記録ビデオが上映された。
 主催者あいさつでは、訪問団副団長でもある重藤・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会世話人が「いわれなき『北朝鮮の脅威』を口実に、反動立法が進められ、日本の進路を誤らせている。しかし、南北朝鮮の同胞意識は強固で、日本はこれに敵対している。訪問団も、謝罪も戦後補償もない日本に対する厳しい雰囲気を感じた。これらは今後の重要な課題だ」などとあいさつした。
 続いて、東京から参加した訪問団メンバー一人ひとりが思いを語った。
 「つくられた『反共和国』感情に対しては、事実を見る眼が大事であることを実感した」「朝鮮に行くと言うと『生きて帰れないんじゃないの』と言われた。行く前は自分も不安だったが、誤解だとわかった。周囲の人の誤解も取り除いていきたい」「朝鮮で『今世紀中に起きたことは今世紀中に解決すべき』と言われたが、本当にその通りだ」「板門店の緊張感は、来たものでないとわからない。朝鮮は日米韓に包囲されていることを実感した」「日朝国交回復のためにも、日本の自主外交が必要だ」など、口々に日朝友好の必要性が訴えられた。
 講演に立った訪問団団長の清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表は、「昨年の人工衛星打ち上げ以降、日本中が確信にも似た『朝鮮脅威論』一色になった。今回の訪朝団は、『ガイドラインではなく日朝のピースラインを』という趣旨で行った。ロシアや中国と違い、日本でどれだけ、朝鮮の解放のために闘った革命家の名前が知られているだろうか。事実を知られていないところに差別が発生する。マスコミの扇動に乗らず、事実を見抜く努力と行動こそが、平和の基礎になる」などと訴えた。
 わが国政府の朝鮮敵視政策に反対し、日朝の相互理解、補償と国交回復を求める運動は、ますます重要性を増している。


Copyright(C) The Workers' Press 1996-1999