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広範な国民連合第7回総会

日教組、海員組合、電機商組合、社民党都連などがあいさつ

国民運動の発展で政治変革を


 自主・平和・民主のための広範な国民連合第七回総会が十一月二十、二十一日、東京で開かれた。同総会には、日教組、全国一般などの労組をはじめ、各界から多くの来賓が参加するなど、国民連合の連携の広がりを印象づけるものとなった。また、討論では中小商工業者など、苦境にある国民諸階層との連携をさらに重視する方向が確認された。内外の危機が深まる中、国民連合の掲げる自主・平和・民主の政治方向での幅広い連携は、ますます求められている。


 国民連合第七回総会は片岡健・日中友好協会全国本部副理事長の司会で開会し、議長団に清水紘治・元三菱マテリアル労組静岡支部委員長、高井章博・三鷹市議会副議長、中原純子・全国一般東京労組フジ製版分会書記次長、瀬川信雄・神奈川世話人の各氏を選出した。
 まず、槙枝元文・元総評議長が代表世話人あいさつを行った(要旨別掲)。同じく伏見康治・元日本学術会議会長は「東海村の臨界事故があったが、国民の声がとどく運動をつくることが必要だ」などと述べた。
 来賓として、西澤清・日教組副委員長、宮脇哲也・海員組合政策教宣局長・広田貞治・社民党東京都連幹事長、田島恵一・全国一般労組書記長、福田勝亮・全国電機商業組合連合会会長、下向磐・日本書店商業組合連合会副会長、坂本進一郎・農業つぶしに黙っていられない秋田県委員会、紀平悌子・日本婦人有権者同盟会長(代読)、清水澄子・朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表、南昇祐・在日朝鮮人総聯合会副議長、矢田部理・新社会党代表(代読)、飯嶋博光・都労連組織共闘部長が連帯のあいさつを行った。
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 記念講演では、新垣善春(沖縄県会議員、前沖縄平和運動センター議長)が、「二十一世紀の日本の進路、日米安保破棄と米軍基地撤去をめざして」と題して記念講演を行った(一面参照)。
 講演に続き、劉徳有・中国国際交流協会副会長、渕上貞雄・社民党幹事長、横路孝弘・民主党副代表、島袋宗康・社大党委員長など、社民、民主、社会大衆の各党両院議員十六人、私鉄総連、全港湾、全林野各中央などからの祝電・メッセージの紹介を片野令子・練馬区議が行った。
 続いて、加藤毅・事務局長が議案の提案を行った。
 加藤氏は、この一年の活動を「全国の心ある人びとが周辺事態法や反動立法に反対して闘い、国民連合も、ともに全国で奮闘し前進した。だが、国民各層の連合を促す面での具体的努力は不十分だった」などと総括。
 さらに内外情勢について「自民党は九〇年代に入り、絶対得票率は二〇%そこそこまでになるほど支持を失っている。ゆえに、他党との連立なしにみずからの政治を実現できなくなっている。国民各層が手をつなげるかどうかが、新しい政治のカギだ」などと提起した。
 会議後のパーティーでは、野田英二郎・日中友好会館副会長、吉田康彦・埼玉大学教授、浅野太三・横田基地飛行差し止め訴訟団団長、藤崎良三・全労協議長、斎藤淳・米軍人・軍属による事件被害者を支え、損害賠償法をつくる会があいさつを行った。
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 二日目冒頭に、伊田美代子・杉並病をなくす会、戸田れい子・カメラマン、浜崎重信・厚木基地爆音防止期成同盟書記長が特別報告を行った。
 続いて、全国から集まった会員による一年間の活動報告と、活発な討論が行われた。
 「周辺事態法や介護保険制度について、もっと行動が必要だった」「中小商工業者や農民など、自民党から離れた人びとの要求をもっと取り上げるべきだ」「リストラを進める大企業の社会的責任を追及し、労働者や商工業者など地域全体が連携することが求められている」「日の丸・君が代強制への反対の声を全国からあげよう」など、国民各層の連携を強め運動を広げるという角度からの発言が目立った。
 討論の最後に、槙枝・代表世話人が「政治の退廃は極に達している。労働組合など、連携できるところから国民各層の連携を進めていきたい」など、まとめを行った。
 また、「自主・平和・民主の日本をめざす壮大な国民運動へ、国民各層は手をつなごう」というアピールが、満場の拍手で採択された。
 役員選出では、槙枝元文・元総評議長、大槻勲子・日本婦人有権者同盟副会長、武者小路公秀・フェリス女学院大学教授、伏見康治・元日本学術会議会長、福地曠昭・沖縄人権協会理事長の各氏が、代表世話人に再任された。
 また、坂本進一郎・農業つぶしに黙っていられない秋田県委員会、村松孝次郎・静岡市商業近代化協議会事務局長、吉田伸・全日建運輸連帯労組近畿地本顧問の三人の新任を含む全国世話人が、拍手で選出された。
 最後に、福地・代表世話人が「東京の皆さんに敬意を表したい。無力感を吹き飛ばし、沖縄へも応援をお願いしたい」などと閉会あいさつを述べ、総会は閉会した。


槙枝元文・代表世話人の冒頭あいさつ(要旨)

 国民連合はまれにみる組織で、思想・信条・政党を超えてさまざまな人びとが集まっている。そして、どんな発言にも、ヤジ一つ飛ばない。
 いま、日本の進路は大きな曲がり角に来ている。来春の憲法調査会の発足など、平和・民主の日本かどうかが、いよいよ問われている。政府は「普通の国」、つまり戦争のできる国をめざしている。これは、再び過去のいまわしい歴史を歩むものだ。
 自自公の進める悪政への抵抗も高まっており、自民党内には「いま選挙を行えば、自民党はボロ負けだ」という声もある。自民党が負けるのはよいが、ほかに信頼できる政党がないというのが問題だ。
 国民連合の役割はますます重要だ。大きく輪を広げ、運動を広げよう。


国民連合・三重が第3回総会
桑江テル子氏が沖縄から訴え


 国民連合・三重の第3回総会と記念講演会が11月14日、津市内で開催された。
 記念講演では、「うないネット・コザ」主宰の桑江テル子氏が、新平和祈念資料館の展示内容の改ざん問題や普天間基地の県内移設問題について、県民の闘いが大きく盛り上がり広がっている様子を力強く報告した。氏は「沖縄の問題は沖縄だけの問題ではなく、日本の政治の問題。一人ひとりの問題として考えて下さい」などと訴えた。


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