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熊本 シンポ「アジアから見た日中関係」

武力によらずアジアで共存を


 シンポジウム「アジアから見た日中関係」が十月八日、熊本県荒尾市内で開催された。荒尾市は、孫文が地元出身の宮崎滔天(とうてん)の生家を訪れているなど、日中友好の歴史がある。シンポジウムは実行委員会と、県日中協会との共催。当日は四百人が参加し大盛況となった。
 パネラーは、中江要介・元中国大使、野田英二郎・元インド大使、園田天光光・元衆院議員。コーディネーターは、酒井哲雄・県日中協会専務理事。
 中江氏は「中国が何度も言う『歴史認識』に日本は嫌気がさしているようだが、もう一度、過去の過ちを率直に見直す必要がある。覇権ではなく、徳による話し合いが重要だ」と提起した。
 野田氏は「日米安保による新ガイドライン関連法は、中国にとっては脅威だ。日本は相手の立場に立った外交が必要だ。武力を伴わない方法でアジアの共存共栄を考えるべきだ」と述べ、「今後の日中関係を考えるなら、沖縄サミットに中国を招くぐらいの具体的な行動が必要ではないか」と提案した。
 園田氏は「夫(故園田元外務大臣)の遺言は『互いが真心で話し合えば、いかなる問題も解決できる』だった。それが必要ではないか」などと述べた。
 シンポジウムは、各層の青年が中心となり、婦人会、青年会議所など幅広い団体が参加したもの。日中友好運動の発展にとって、このような民間の運動は非常に意義深いものである。


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