991005


国民連合・東京

「ユーゴと北朝鮮―アメリカの狙い、追随する日本」
日本の進路めぐり討論白熱


 自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京主催の「ユーゴと北朝鮮―アメリカの狙い、追随する日本」と題する講演と討論会が十月三日、行われた。会場には国民連合の賛同人や学生など多くの人びとの姿があり、講師である吉田康彦氏(埼玉大学教授)の講演後には十数人が質問し、活発な討論が行われた有意義な催しとなった。
 まず、主催者を代表して広範な国民連合・東京の片岡健・代表世話人より「日本の進路を考える上で、今日の講演内容はタイムリーな内容である。討論の時間も準備してあるので、おおいに議論していただきたい」とのあいさつがあった。
 講演に先立って吉田氏は、昨夜まで埼玉大学の学生や上田哲・元衆院議員らと朝鮮民主主義人民共和国を訪問し、国交回復にむけた話し合いのささやかな準備をさせてもらったと報告した。
 講演の最初に、ポスト冷戦期の米国の世界戦略は、民主主義の普及と独裁国家などの「民主化」を促進すること、「人権」を尊重すること、市場原理と自由競争の導入を行うこと、核の拡散と核を運搬するミサイルの開発を防ぐこと、などであるとの紹介があった。
 核兵器については、米国を横綱とすればロシアは小結ぐらい、他の核保有国は幕内クラス、パキスタンやインド、さらに北朝鮮が核を持ったとしても、それは幕下にもおよばないなどと、ユーモラスな説明がされた。
 次に米国批判の論点として、世界貿易機関(WTO)や核拡散防止条約(NPT)などを国際公益といいながら米国自身の国益を追求していることや、ダブルスタンダードの存在などを紹介し、覇権主義的傾向が強いことについて指摘された。
 さらに、グローバル化する世界の中、経済のボーダレス化や国境を越えて広がる地球環境問題、携帯電話と衛星放送による情報化の急速な進展など、各方面の話題が続いた。
 講演後の討論では、講師を交えて白熱した討論が行われた。内容は、ユーゴスラビアへの空爆やわが国が国連常任理事国に入ろうとすることの是非、紛争国にカネを出すだけでなくPKOなどに積極的にかかわる必要があるのか、朝鮮など隣国との友好関係をどのようにしたらよいのか、日本が米国の核の傘の下から離れるにはどうしたらよいのか、など。
 最後に、東京で十一月二十、二十一日に行われる国民連合第七回全国総会の案内と、その場でも「自主・平和・民主」の国の進路についておおいに討論をしようとの呼びかけが行われた。 


Copyright(C) The Workers' Press 1996-1999