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「日の丸・君が代」法制化反対

幅広い連携、運動で廃案に


 「日の丸・君が代」を「国旗・国歌」とする法案は参議院での審議がヤマ場を迎えている。日教組は全国で宣伝、集会などの反対運動を取り組んでいる。憲法擁護・平和・人権フォーラムは東京で約千人を結集し、全国集会を開いた。

 憲法擁護・平和・人権フォーラムの主催による「国民的合意なき『日の丸』『君が代』法制化反対全国集会」が七月二十八日、東京で開かれ、労働者を中心に約千人が参加した。

 津和慶子・日本婦人会議議長の司会で開会した集会は、まず同フォーラム代表の山口鶴男氏があいさつした。氏は「新ガイドライン関連法など、戦前を思わせる悪法が成立している。国民の団結でたちあがるべき時だ」と呼びかけた。

 次いで、土井たか子・社会民主党党首が登壇し、「国旗・国歌法案は良心の自由、思想信条の事由にかかわる問題だ。かねてから政府は日の丸・君が代を強制しており、反対する教師には処分で臨んできた。法制化されれば、これまで以上の強制・義務化は必定だ。幅広い勢力と連携して廃案に追い込もう」などと決意を表明した。

 松井光広・連合組織行動局長は「自自公は強行突破で国会に臨んでいる。第二次大戦では沖縄、広島、長崎をはじめ、多くの国民が日の丸のもとで犠牲になっている。国会は、まずこれらの人びとにこそ、法案の是非を問うべきだ」と述べた。

 諸団体の発言では、日本キリスト教協議会を代表して森山つとむ氏が「『教え子を再び戦場に送るな』という日教組の運動の原点と同様、戦争責任の問題を忘れてはならない」などと訴えた。次いで石田英敬・東京大学教授が知識人を代表して、「市民社会の自由を守るには、現在の議会内の勢力だけでは不可能だ。知識人が前に出て発言すべき情勢がやってきている」と述べた。

 川上祐司・日教組委員長は、「国旗・国家法案の衆院可決に怒りを感じる。大衆行動を広範に巻き起こし、連帯して闘おう」と、引き続き闘う決意表明を行った。「日の丸・君が代」に代わる旗と歌をつくろうと呼びかけている田中弥須子氏の発言の後、「参議院での審議においても、性急な『日の丸・君が代』の法制化へ反対の声を全国からあげ続け、本法案の今国会での廃案を求めていく決意を表明します」などとする集会アピールを採択し、参加者全体で国会への請願デモを行った。


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