990715


中小企業家同友会が全国総会

日本再生をわれわれが!


 中小企業家同友会全国協議会は七月八日から二日間、設立三十周年を記念した定期総会を東京で開催した。総会は「拓こう二十一世紀! 日本再生をわれわれが」をスローガンに掲げ、会員など千九百人のほかタイ、カンボジアなどの大使館からも参加があった。

 総会では、1)日本経済再生の担い手としての中小企業、その中核としての同友会の歴史と運動を検証し、運動をさらに発展させる、2)激変する時代に立ち向かえる強じんな体質をつくる、3)中小企業と国民生活のために積極的に政策提言し、行動する、4)「人口十万人都市や地域に百人の会員を」の基準で全国で組織を強化する、などを確認した。

 九日の特別企画では、「日本経済再生のシナリオはわれわれがつくる」と題したシナリオ提案や、経済評論家の内橋克人氏の特別講演などが行われた。その中で、大企業のための構造改革、規制緩和は「市場万能論」であり、リストラの徹底やいっそうの弱肉強食社会をつくるものでしかない、と政府や大企業の政策批判が出された。そして公正な競争社会をつくるために地域と密着した中小企業のあり方などを提起した。

 特別企画アピールでは、「中小企業の再生こそが日本経済の再生の原動力であり、全国の中小企業に再生を押し進めるネットワークの構築しよう。そして政策提言を政府、自治体に強く働きかけ、その実現のために行動を起こそう」と呼びかけた。

 その上で緊急政策要望として、1)金融システムを国際基準と国内基準の二本立てとすること、2)地域と中小企業の金融ニーズに適した地域再投資法(金融アセスメント)の成立、3)金融安定化特別保証制度を拡充、強化すること、4)金融機関の破たんに対し借り手安全機構を整備すること、5)雇用維持対策を就業人口の八割を占める中小企業に重点・特化して実施すること、6)外形標準課税の導入中止、を表明した。


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