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沖縄「慰霊の日」

平和を誓い労組などが行動


 六月二十三日は沖縄戦の組織的戦闘が終結した日である。沖縄ではこの日を「慰霊の日」として、二十万人余の戦没者を追悼する。

 五十四回目の「慰霊の日」となった今年は、県主催の沖縄全戦没者追悼式が糸満市摩文仁の平和祈念公園で開かれたほか、反基地や平和を求める団体などがさまざまな企画を取り組んだ。

 連合沖縄が平和集会、情報労連が平和行進を行うなど、労働組合も「慰霊の日」にあわせた取り組みを行った。


連合 平和集会

 連合は二十二日から「 連合平和オキナワ集会」を開いた。連合は、「慰霊の日」を前に唯一地上戦が戦われた沖縄の教訓をいかし、世界平和実現をめざすとしている。

 二十二日は討論集会が開かれ、全国から五百人が参加。長元朝浩・九州大助教授が「沖縄の基地の現状と課題」と題して基調講演を行った。

 長元氏は、航空自衛隊が米空軍との合同演習を初めて海外で行っていることや、実弾演習本土移転で海兵隊輸送に民間機を使っていることなどをあげ、「新ガイドラインに関連した動きで、安保が全国にばらまかれている」と指摘した。

 その後、渡久地・連合沖縄会長や吉田・金武町長ら四人が発言し、討論を行った。

 渡久地氏は「冷戦後、米本国の基地は縮小されたが、沖縄の基地縮小は進まない。それは日本政府が駐留費の七〇%を肩代りしているからだ。このような税金の使われ方をいつまでも国民は黙っているのか」と提起した。

 二十三日の全体集会では、二千三百人が参加した。笹森・連合事務局長は、「悲惨な沖縄戦を胸に刻みながら平和への願いを語り続け、平和実現に向けて行動していこう」とあいさつした。また、「沖縄県民の痛みを全国的な理解に深めるため、今後も運動を強化していく」とするアピールを採択した。

情報労連

嘉手納基地一周

 情報労連は二十一日、「沖縄の実態を通して戦争の愚かさ、平和の尊さを考えよう」と、「沖縄ピースすてーじ」を行い、組合員が全国から沖縄に集まった。

 二十一日には約六百人が「嘉手納基地一周行動」を行った。出発式では屋良・現地実行委員長が「いかに嘉手納基地が広いか、周辺住民がどのような状況にあるか感じ、平和とは、戦争とは何か、体で味わってほしい」とあいさつした。


 県主催の追悼式では、五千人が参加。稲嶺知事が初の平和宣言が読み上げた。平和宣言では、「本県には戦後半世紀が過ぎた今なお、広大な米軍基地が存在し、県民は過重な負担を強いられ、地域の発展を図る上で大きな制約を受けて」いるとし、基地の整理縮小を求めるを唱えた。しかし、大田前知事による宣言では憲法尊重や周辺事態法への強い懸念が示されたのに対し、表現は弱い。国際都市形成構想なども触れなかった。

 式では小学五年生の宮城夏喜さん(大宜味村立塩屋小)が平和の願いを込めた詩「心のたんぽぽ」(別掲)を読み上げた。


 文化人や教育者でつくる「沖縄平和の創造委員会」(福地曠昭委員長)は二十一日、沖縄戦「慰霊の日」平和アピールを発表した。

 アピールは新ガイドライン関連法、盗聴法案などを「日本国憲法を真っ向から否定する」と批判し、「あくまで平和憲法を守りぬく決意をもって、核も基地もない平和な沖縄、日本、世界を築くために努力しよう」と呼びかけた。


平和の詩 心のたんぽぽ 宮城夏喜(小五)

心のたんぽぽ
いりませんか
いっぱいのやさしさで
出来ています。

お国に一つ持ってれば
わた毛になって
とんでって
みんなの心でめを出します。

心のたんぽぽ
いりませんか
よごれた心
洗います。

きっとあらそいなくせます。


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