沖縄平和運動センター議長/那覇市議 崎山 嗣幸氏
五月十二日から平和行進を行い、本土からの参加者千三百人を含めて、三日間でのべ六千人以上が参加した。また、復帰二十七周年の五月十五日には七千人が参加した「平和とくらしを守る県民総決起大会」を開催した。
戦後五十四年、復帰から二十七年たっても、基地が集中する沖縄の状況は何ら変わっていない。四月には国頭村沖で米軍ヘリの墜落事故が起きたばかりだ。四十年前に子供たちが死傷した宮森小学校事故のような悪夢が、いつ再現されても不思議ではない。
平和行進では本土の若者が多く参加しているが、歩く中で沖縄の実態について理解してもらえるだろう。また、若者同士の交流によって基地や安保を全国の共通課題として理解してもらえる機会だと思っている。
いま沖縄では経済振興策というアメと基地の県内移設というムチが与えられようとしている。そして、参議院では戦争協力法案である新ガイドライン関連法案が審議されている。沖縄は戦後、銃剣とブルドーザーで土地を取り上げられ、米軍基地がつくられ戦争に使われてきた。だから、新ガイドライン関連法案によってさらに戦争に協力するということには反対である。平和行進、県民大会は、沖縄から廃案に向けて立ち上がる宣言であった。
新ガイドライン関連法案の審議のヤマ場である十九、二十日に九州各県の平和運動センターがいっしょになって国会へ要請行動に行った。だが、審議をみていると二十四日ごろに強行採決される恐れがある。
それをわれわれは手をこまねいて見ているわけにはいかない。緊急ではあるが、センターとして上京して国会で要請行動などを行う。そして、二十五日には憲法フォーラム主催の全国集会があり、それに連続して参加していく。そうした行動を通じて、世論を高め、運動を発展させていきたい。(五月二十一日)
沖縄県違憲共闘会議議長 有銘 政夫氏
「沖縄から見れば安保が見える」といわれているが、新ガイドライン関連法案は米国の戦時体制、世界戦略に日本の港湾、空港、自治体などすべての機関が組み込まれる危険なものだ。
周辺事態といって、あたかも日本にかかわるようにいうが、そうしたものではない。米国は日常的に戦時体制にあり、かつてのベトナムから湾岸、最近のユーゴまで日常的に戦争を行っている。それに加担するものである。
沖縄には第三海兵隊があるが、これは侵略部隊であり、直接侵略戦争にかりだされる、とんでもないものだ。これまでも沖縄からこっそりと出撃していたが、これからは、どこへでも後方支援ということで出撃していく。
これを単に「沖縄に基地があるので、沖縄の問題」と考えるととんでもないことになる。 実弾演習が本土に移転されているが、輸送にはすべて民間が使われた。また、部隊間移動で飛び回っている飛行機で日本中が事実上、演習空域になっている。これらが法的根拠をもち、組み込まれていくことになる。
そしてもう一つの裏づけとして特措法の再改悪がある。米国への支援ということでの土地提供は、すべて首相の権限で行うという。地権者や自治体の抵抗を骨抜きにするものであるばかりか、収用委員会がもたもたしていた場合にも首相権限で行う。今まである沖縄の基地は、文句なしに使用できるだけでなく、新規接収を前提にした改悪で、全国どこでも米軍のために土地提供ができるようになる。
これらの法案で米国の戦争態勢に組み込む準備としては、万全ではないか。いま国会の多数で、国民の論議のないまま、知らないうちに通ってしまう。
まさに戦時立法であり、のんきに構えている場合ではない。先日も急きょ上京したが、気づいている人びとは主権者として、声を大きくしてほしい。(五月二十一日)
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