990405


新ガイドライン関連法案を廃案へ
女性、青年、生協など
5団体が共同で反対声明


 主婦連合会、全国地域婦人団体連絡協議会、日本生活協同組合連合会、日本青年団協議会、日本婦人有権者同盟の五団体は三月二十四日、「『新ガイドライン関連法案』の法制化を急ぐよりも、世界の平和と安全のために、平和憲法に基づく主体的な外交を取り組むよう求めます」と題する声明を発表、ガイドライン特別委員に郵送した。

 声明では「関連法案は、日本の進路にとって重要な意味を持つ」「わが国は、先の戦争で他国に大きな被害を与え、自らも多大な犠牲を払った苦い経験を持つ。戦争を前提とした軍事協力に力を注ぐのではなく、軍事によらない安全保障の実現に努力することこそ、わが国に求められている大きな役割だ」とし、関連法案への危ぐを訴えた。(声明全文は以下)


「新ガイドライン関連法案」の法制化を急ぐよりも、世界の平和と安全のために、平和憲法に基づく主体的な外交を取り組むよう求めます。

 日米防衛協力のための「新ガイドライン関連法案」の国会審議が始まりました。この法案は、周辺事態法案、自衛隊法改正案、日米物品役務相互提供協定改正案の三つからなっており、日本の進路にとって重要な意味を持つものです。

 特に、周辺事態法案では、日本に他国が侵略してきた場合の対応よりも、日本以外で起こった紛争が、日本の安全に大きな影響を与えると判断される、いわゆる「周辺事態」に、日米がいかに協力して対応するかを定めています。周辺事態の範囲や定義もあいまいで、このままでは、アメリカが関与する各地の紛争に日本が大きくまきこまれるのではないかという不安を覚えます。

 政府は法案説明の中で、「前線参加は武力行使になるが、後方支援それ自体は武力行使ではない」として、憲法で禁止している「集団的自衛権の行使」にはあたらないとしています。しかし、たとえ後方支援であっても戦争にまきこまれることにはかわりありません。しかも地方自治体や民間企業にも協力依頼することができ、国外の周辺有事に対して、まさに国民全体がさまざまな場面で動員されることになる可能性があることに、私たちは限りない不安を抱きます。

 さらに、こうした行動は国会の承認を必要とせず、遅滞なく報告があればよいとされています。軍事行動につながりかねない動きが、国会の承認もいらないということは、国会の存在すら否定しかねないことであり、主権在民の精神にも反します。

 こうした問題を含んだままガイドライン関連法案の成立を急ぐことに、私たちは強い不安と懸念を持つものです。

 わが国は、先の戦争で他国に大きな被害を与え、自らも多大な犠牲を払ったという苦い経験を持っています。平和憲法を持つ国として、戦争を前提とした軍事協力に力を注ぐのではなく、軍事によらない安全保障の実現に努力することこそ、わが国に求められている大きな役割です。

 ガイドライン関連法案の成立を急ぐよりも、平和憲法を持つ国として、アジアをはじめ世界の安全と平和のために積極的な政治対話を行い、軍事によらない安全保障の確立に貢献するよう強く求めるものです。

一九九九年三月二十四日
主婦連合会
全国地域婦人団体連絡協議会
日本生活協同組合連合会
日本青年団協議会
日本婦人有権者同盟


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