990215


米軍イージス駆逐艦が小樽港に入港

ガイドラインの先取りに抗議

連合北海道小樽地区連合会 佐藤 浩一事務局長に聞く


 米海軍第七艦隊所属のイージス駆逐艦「ジョン・S・マッケイン」が二月四日、北海道小樽港に入港した。新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)関連法案が国会で審議される中、それを先取りするような動きに対して、地元では抗議集会などが開かれた。連合小樽などは四日、ふ頭で入港反対集会を開き、八百人が集まった。連合小樽の佐藤浩一・事務局長に聞いた。

 一月二十九日に、連合小樽、平和運動センターなどで小樽市長に入港を拒否するように申し入れた(要旨別掲)。それとともに、各構成産別、単産では市長と知事あて、札幌の米国総領事館あてに抗議電報を打った。入港した四日には小樽港で抗議集会を行い、早朝の出勤前で雪がふぶいていたが、八百人が参加した。

 これまでも九七年九月の米空母インディペンデンス入港の際など、米軍艦船の入港には抗議行動や、自治体に対して入港拒否の申し入れを取り組んできた。

 今回、核搭載の問題で外務省から、市の問い合わせに対して文書で回答があった。内容は「事前協議の申し入れがないということは核が積んでいない」という、いつも通りの見解だが、文書で回答が来たのは初めてだろう。これは反対運動を続けてきた一つの成果ではないか。

 小樽港は、湾に囲まれた天然の良港であり、空母も入れる規模があるため、米国が朝鮮半島をにらんで戦略的に目をつけたと考えられる。議論されている新ガイドラインの中で民間施設、空港、港湾を含めて、有事の際は軍事利用できるということも打ち出されており、小樽市民としては困る問題だ。これに対しては市長も小樽を軍港・準軍港化しないと明言しており、それを貫いてもらうためには、運動も取り組んでいかなければならないし、主張もしていかなければならない。

 新ガイドラインについては、全国の空港や港湾など施設を持っているところの共通の課題だろうし、これは一自治体だけじゃなく、全国的な運動の広がりが必要だろう。

 沖縄の米軍基地の問題などで、自民党は「痛み分け」といっているが、冗談じゃない。「痛み分け」を口実に基地の拡大強化、全国展開をしているわけで、日本国全体が基地化されようとしている。米軍基地そのものを日本からなくすということを突き詰める必要があり、基地をどこかに移せば解決するわけではない。

 九七年の空母入港以降、室蘭や函館にも米艦船が入港した。だから、連合小樽では道内のそれぞれの地域の連合とも共闘して運動が出来ないかと模索している。


米艦・小樽港入港反対の申し入れ(要旨)

 来る二月四日、米ミサイルフリゲート艦「J・S・マッケイン」が小樽港へ入港する。

 現在まさに国会で新ガイドラインが論議され、日米安保条約の拡大まで踏み込もうとする「自自連立」政権の意図が見えかくれしている。

 また、入港手続き期間が一カ月もなく、米側の一方的な入港通告が通るという現在の日米地位協定における不平等も厳然と存在している。

 私たちは、小樽港への米艦艇入港については、
(1)核兵器搭載の有無が明らかにされないこと
(2)小樽港の軍港・準軍港化につながること
(3)港湾労働者の作業に支障を来すこと
(4)平和を愛する小樽市民の不安感を募らせることになること
(5)新ガイドラインでの有事の際の民間港施設利用に先べんをつけることになること

を事由として反対を表明する。

 過ぐる九七年九月五日、多くの市民の強い反対にもかかわらず、米第七艦隊空母「インディペンデンス」が国内民間港で初めて小樽港への寄港を強行した。

 その後、函館港や室蘭港への寄港が相次いだことから、小樽はその先べんをつけたと今でも批判が集中している。

 今、道民が求めているのは世界の平和と軍縮である。同艦の小樽港入港を拒否されるよう申し入れる。

九九年一月二十九日

小樽市長 新谷昌明様

連合北海道小樽地区連合会 会長 合田豊
小樽平和運動センター 代表委員 戸塚利治
民主党北海道小樽支部 代表 菊池芳郎


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