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神奈川県知事選挙

危機の中で必死の努力をする県民にこたえられる県政を

山本正治同志、立候補を表明


 日本労働党神奈川県委員会は、九九年四月の神奈川県知事選挙に山本正治同志を公認候補として擁立することを発表した。県党と山本同志は十一月二十七日、立候補表明を行った。その要旨を紹介する。


(1)

 来春の県知事選挙は、二十一世紀の県民生活と神奈川を左右する、かつてなく重要な選挙となります。

 みぞうの経済危機の中で、多くの県民が失業と倒産の危機を感じて不安の毎日をおくっています。

 ところが県政は、この困難と必死の努力にこたえるものとはなっていません。また、財政も危機的で対応力が問われています。県政の企業ゆ着、腐敗も露呈しています。

 私は、県政の基本方向の切り替えをめざします。

(2)

 政治は誰の利益をはかるか、誰のための政治か。いま、改めて知事の政治姿勢と県政の根本が問われています。

 政府は、六十兆円もの血税で大銀行救済を進めています。ある失業者が、「銀行よりわれわれの働く場所へもっと公的資金を回してほしい」と強く訴えていましたが、これこそ県民大多数の共通の声ではないでしょうか。

 ところが岡崎現知事は、福祉や教育の予算、市町村への補助金などを削減し、また、県立病院の民営化などと、県民に犠牲と負担を押しつけています。中小業者に大増税となる「外形標準課税」制度導入さえ主張しています。岡崎知事の姿勢には大不況に苦しむ県民への配慮がまったく感じられません。

 私は、県民がこの困難を乗り切ることができるよう最大限の支援をする県政を実現します。

 そのために県財政も投入し、生活と営業を守る大規模な緊急対策を実行します。

 とりわけ緊急の課題となっている中小企業、商工業者の資金繰りにこたえるための緊急対策として、県独自での直接融資制度を実現します。

 また、失業者の生活や仕事の確保を支援するとともに、失業者を出させず雇用と賃金、労働者の権利を守る県政を進めます。

(3)

 二十一世紀を展望した神奈川の将来像、構想が大議論されなくてはなりません。これは、今回の知事選挙の大きな課題の一つです。

 私は、神奈川県のかかえる基本的な課題は、経済の柱であった製造業の衰退と産業空洞化の問題、過密都市問題と周辺地域の立ち遅れという東西問題、それに基地問題の三つだと考えてきました。

 しかし、岡崎知事のつくった「かながわ新総合計画」とその県政は、これらの課題の解決に立ち向かわず、「時代の流れ」や「国策」に任せるだけで、県と県民生活の抱える困難を増幅しています。

 県下から工場が相ついで撤退し空洞化が進み、県経済・産業は深刻な状況にあります。ところが「新総合計画」の京浜臨海部活性化策は、そのリーディング・プロジェクトが「手塚ワールド」誘致であることに象徴されるように、徹底した製造業軽視です。

 もう一つのプロジェクトである東京都心につながる臨海旅客鉄道建設で土地利用転換を進める、と岡崎知事は公然とうたっています。これでは不動産企業化する一部巨大企業が利益を得るだけで、製造業が神奈川からさらに撤退するのは必然です。神奈川県の製造業が「全国一」のテンポで衰退しているのは、こうした県政の結果です。中小・下請け企業や労働者に犠牲が集中的に押しつけられています。

 また、こうした方向は、政府の国土計画である「業務核都市」構想にそったものです。その結果である一極集中の神奈川づくりは、横浜のMM21(みなとみらい21)に集まったような巨大企業にはきわめて好都合な「機能」的都市形成ですが、住民には暮らしにくく危険がいっぱいの過密都市化です。

 他方で、県西部をはじめ全県の整備・発展は立ち遅れたままです。これまでの県の開発政策では実際はこうした問題を解決するどころか深刻化させただけでした。

 米軍基地の返還は、県の発展にとって不可欠の条件です。ところが、日米安保条約を「誠実に尊重する」という岡崎知事のもとで、県はいよいよ基地問題に関心を持たなくなりました。

 戦後五十年以上も、首都をにらむ米軍基地が県下に居座っているのは、独立国にあるまじき状況です。基地問題の解決は、横須賀市をはじめ地域経済の発展と住民生活の安全・安定にとって不可欠です。

 私は、県政の基本計画を根本的につくりかえ、三大課題の打開に立ち向かう県政を実現します。

 (1) 神奈川の「ものづくり産業」を復権・復興させる基本政策に転換し、農林水産業を含めて、バランスある産業発展を支援します。特に、神奈川の製造業を支えてきた中小企業、自営業者への支援を強化します。大型店の進出を規制し、暮らしやすさと地域商業振興を支援する「町づくり」を県民主導で進めます。

 (2) 一極集中型開発政策を転換し、鉄道・道路など開発計画を分散型に見直し、県中西部地域も、三浦半島も、津久井地域も、全県がバランスよく発展する神奈川をめざします。

 (3) 県民をあげて米軍基地撤去の運動を進め、国の独立と平和・安全の神奈川をめざします。

 

(4)

 財政再建はもう一つの大きな争点です。

 (略)

(5)

 県民のみなさん!

 来年四月の県知事選挙で、力を合わせて県政を変えましょう!

 生活と営業の危機突破へ、新しい県政の実現のため、共に奮闘くださるよう訴えます。


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