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沖縄、長崎

またも米兵のひき逃げ事件

相次ぐ事件に高まる怒り

広範な国民連合・長崎 米軍の綱紀粛正求め県に要請


 米軍基地被害が広がっている。沖縄ではひき逃げが相ついで起こり、長崎県佐世保市でもひき逃げ事件が発生した。沖縄県民は直ちに抗議の声を上げ、闘っている。地位協定の見直し、事件の根源となっている米軍基地の撤去を求める闘いを強め、日本政府に突きつけよう。

 十月七日に起きた米兵による女子高生ひき逃げ事件の記憶も新しい沖縄で、また米兵が酒気帯び運転で男性に軽傷を負わせ、ひき逃げする事件が起きた。事件は十月三十日、那覇市内で発生した。那覇区検は十一月六日、容疑者の海兵隊伍長(キャンプ・シュワブ所属)を道交法違反と業務上過失傷害で略式起訴した。

 これらの事件に対し、沖縄県内では米国在沖総領事館や在沖米軍などへの抗議行動が相ついで闘われている。読谷村議会や名護市議会などが抗議決議を採択したほか、沖縄平和運動センターと中部地区労が十一月二日に緊急抗議集会を北中城村のキャンプ・フォスター前で開いた。

 また長崎でも、十一月一日に佐世保市内の県道で、米軍従業員(米国人)によるひき逃げ事件が発生した。

 このような米兵・米軍関係者による相つぐ事件に対して、自主・平和・民主のための広範な国民連合・長崎では十一月六日、長崎県知事に日米地位協定の廃棄も含む見直しの検討などを求める申し入れを行った。十月二十七日には駐日米国大使に対し、同様の要請文を提出している。

 これらの事件は、米軍基地があるが故に引き起こされている。日本政府は、地位協定の見直し、米軍基地の縮小、撤去を米国に求め、国民の安全を守るべきである。

 基地被害が集中する沖縄県民の要求に連帯し、米軍基地の整理・縮小、撤去を求める運動を全国に広げよう。


米兵による相次ぐ事件に関する要請(要旨)

 十月七日、沖縄県北中城村で、米兵が女子高生をひき逃げする事件が発生した。県警は容疑者の身柄引き渡しを求めたが米軍は拒否、県民のあいだに抗議の声が高まった。また、十月三十日にも、酒気帯び運転の米兵が、ひき逃げ事件を起こした。在日米軍による事件、犯罪は繰り返され、米軍当局が綱紀粛正を約束しても、事件が後を絶たない。米軍がいまだに占領意識を持ち、真剣に取り組む気がないと言わざるを得ない。

 沖縄県同様、米軍基地を抱える長崎県内でも在日米軍による事件、犯罪は後を絶たない。三年前の佐世保における米兵の女性絞殺未遂事件は県民の憤慨と不安を呼び、十一月一日には佐世保市で、米国人の米軍従業員によるひき逃げ事件が発生した。このような事態は、米軍基地が存在することに起因するものだ。

 私たちは不幸な事件を再び起こさないために、米軍基地を抱える長崎県の知事としても、日本政府に対して次の事項を実現できるよう要請されることを求める。

一、日本政府は米国に対し、米兵、米軍属の綱紀粛正を徹底するよう求めること。

一、日本政府は、日米地位協定の廃棄も含む見直しを検討すること。

一、在日米軍基地の縮小、撤去を求めて、米国政府との交渉を早急に開始すること。

一、被害者及び遺族に対して、完全な補償をすること。

十一月六日

長崎県知事 金子原二郎殿

広範な国民連合・長崎


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