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福岡

怒りの総決起をさらに広げよう

地域経済 暮らしを守ろう

各界が共同し怒りの総決起集会


 深刻な不況のもとで、労働者は職場を追われ、中小商工業者は倒産・廃業が続いている。とりわけ地方ではその影響は厳しく、地域経済の崩壊さえいわれている。そうした中、福岡市で十一月三日、「深刻な危機―地域経済と暮らしを守ろう! 福岡県民怒りの総決起集会」が開催された。主催は十一人の呼びかけ人と電機商工組合行橋支部、自治労福岡県職労、全国一般福岡支部、同筑後支部や労組役員、失業者など六十六人の賛同人で構成された実行員会。また、県教組、国労博多地区本部、自治労県本部、全逓福岡地区本部、フォーラム九州 (中小企業家)などが協力した。この時期、各界が連合して危機突破に立ち上がった意義は大きい。こうした県民の連合した立ち上がりを、さらに全国各地でくり広げなければならない。集会での各界からの怒りの声を紹介する。


工賃も払わない元請け

鎌田紘一・筑後型枠(資)代表

 昨年十二月に高速道路の橋桁(はしげた)を壊し、逮捕された。まわりの事情を知っている人は、「よくやったな」と言ってくれる。私は三次下請けの仕事をしていたが、二次下請けが公文書を偽造し計画倒産し、一千五百万円近い損害をこうむった。そこで元請けにせめて工賃だけでも何とか保証してくださいと訴えた。どうにかするよといいながら、何もしてくれなかった。

 そこで、橋桁は私の材料だから取り返すと、発注元、元請け、マスコミ、警察に通告したが、誰も止めなかった。だいたい仕事をして、代金をもらえないで刑罰を受けるなど納得できない。仕事を請け負った元請けは公団から金を受け取ってのうのうとしている。こんなバカな話はない。

 建設業界は賃下げになっている。また週休二日になっているが、給料はない。さらに祝日も休むとまた賃金が入らない。こうした状況だ。


規制緩和では生きられない

亀井義則・全港湾北九州港支部長

一昨年から米国が、港湾の事前協議制の規制緩和や二十四時間港を開けろとの圧力をかけてきた。そして政府は昨年三月に港湾を規制緩和すると言い出した。港湾は中小零細企業が多いが、労資で需給調整をし、港湾を守ってきた。まさに港湾は中小零細企業と労働者が築いてきた。

 われわれは規制緩和では生きれない。昨年は二回のストライキで闘ったが、規制緩和に対しては、徹底して闘う。

 最近、労働組合は負ける闘いはしないというが、資本主義のもとで労働者は容易には勝てない。だが、労働者の生活と権利を守るために、たとえ負けても闘うのが労働組合だ。負ける闘いでも繰り返して、はじめて勝利がみえてくると思う。今後、負けることもあるかもしれないが、歯を食いしばってがんばる。


中小に公的資金をまわせ

井上久幸・フォーラム九州21

 今日すべてが危機的状況にある。住専への国民の負担はまだ続いているばかりか、政府は大手銀行には六十兆円もの公的資金投入をはかろうとしている。かたや中小企業は、融資を受けられない状況にある。私は、公的資金は直接、中小企業に融資すべきで、大手にまわす必要はないと思う。どうしても銀行にまわすなら、高い利子をつけて、国民に返すべきだ。金融業界は人の金で大きくなっているが、トップに立つ者は私利私欲、また自分たちだけがよければと動いている。

 金融は経済の根幹であり、人間でいえば動脈といえる。しかし、政府と金融業界はその使命と責任を忘れている。困っている人びとに役立つ政策を打ち出すべきだ。

 将来の子どもたちのため、自分たちのために、声をあげてがんばっていこう。


母子家庭を襲う財政改革

山下はるみ・ 児童扶養手当連絡会

 父と生計を同じくしていない子供に、月に二万八千百九十円支給されているのが児童扶養手当だ。財政構造改革によって、社会保障費を増やさないために、所得制限の限度額が年収四百七万円から三百万円に引き下げられた。

 一気に年収で百万円も引き下げられたが、母子家庭では児童扶養手当は家計に組み込まれている。しかもそれは医療制度にも連動している。つまり児童扶養手当が切られるだけでなく、医療費も負担しなくてはならない二重の負担になっている。

 手当を切られた母親は、通常の仕事の後で清掃などのアルバイトをしているのが、実態だ。国には一刻も早く児童扶養手当の所得制限を改善してほしい。また県には、母子医療を児童扶養手当と連動させないように要求する。


基本スローガン

・地域経済の崩壊反対!
・税金による銀行救済反対!
・生活に困っている国民や失業者への生活保 障のために公費を投入せよ!
・失業者へ職を保障せよ!
・労働者、中小零細業者、農民などへのしわ 寄せを許すな!
・政府と県政はこの危機を国民の側にたって 打開せよ!


呼びかけ人

久保山 教善(真宗大谷派僧侶)
梶村 晃(九州・沖縄平和教育研究所事務局長)
石橋 固(前福岡県退職教職員協議会会長)
神宮 義秋(国労博多地区本部長)
石川 眞昭(九州芸術工科大学助教授)
的野 国雅(元福岡県農協青年部長)
渕上 桂子(飯塚を考える女の会)
奴間 健司(古賀市会議員)
森田 喜博(全国一般労組筑後支部書記長)
鎌田 紘一(筑後型枠合資会社代表)
宮田 こずえ(広範な国民連合・福岡事務局長)


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