中小企業救出大作戦！

東京中小企業家同友会がシンポ

　中小商工業者は長期の不況に加え、銀行による貸し渋りや規制緩和などで、存亡の危機に立たされている。このようななか、全国各地で商工会議所などによる危機突破大会や決起集会が開かれ、政府・自治体に抜本的景気対策や支援策を求めている。

　「無差別淘汰の危機を切りひらけ！　金融シンポジウム　中小企業救出大作戦」が十月一日、東京・新宿で開かれた。主催は東京中小企業家同友会。

　はじめに、金融機関の貸し渋りを描いた演劇「銀行がなくなる日―七人の経営者」が上演された。会員である建築会社社長が、貸し渋りの体験をもとに台本を書き、メンバーが資金繰りに苦しむ経営者を演じた。演劇の結末では全国百万人の中小企業経営者が国会を取り囲んだ。

　シンポジウムでは、貸し渋りの体験談が生々しく報告された。

　大阪の報告者は、業績が順調にもかかわらず、大手都銀による貸し渋り、長期信用銀行の借り替え拒否を経験。都銀は融資基準変更を理由に、融資額を減額したと報告した。また、千葉の報告者は、貸し渋りが始まった五年前の、親の企業の倒産経験を語った。

　最後に、「中小企業が、困難を克服し再生することこそが日本経済の再生につながる」とする中小企業宣言を発表。宣言では、①政府、自治体による直接融資制度の創設、②信用金庫など地域金融機関との連携強化、③中小企業の再建・清算助成制度の整備を、緊急政策要望として盛り込んだ。