基地撤去で、平和な島を！

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米軍基地�新ガイドラインに反対し

各地から運動盛り上げを

基地撤去で、平和な島を！

　米軍基地の整理・縮小、撤去を求める沖縄県民の闘いは、ねばり強く続いている。こうしたなか、沖縄県が主催するシンポジウムが全国で取り組まれた。また、新たな日米防衛協力の指針（新ガイドライン）や有事立法に反対する闘いも全国に広がっている。広範な大衆運動を発展させ、小渕政権の危険な策動を阻止しよう。

沖縄からのメッセージin東京

　「基地と平和を考える　沖縄からのメッセージ九八」が九月十四日、東京・銀座ガスホールで開かれた。これは沖縄県が主催したもので、福岡や大阪など全国五カ所でも開催された。「映像でみる沖縄」と題したビデオ上映と、シンポジウムが行われた。

　まず、沖縄県東京事務所長が主催者あいさつにたち、「沖縄には戦後五十三年たってもなお、米軍基地問題が存在する。基地がいかに県民の財産を脅かしているのか、そういう実態を映像とシンポジウムを通して知ってもらいたい。沖縄だけでなく日本全体の問題として、ぜひ考えていただきたい」と述べた。

　シンポジウムでは、「基地と平和を考える」と題し、ジャーナリストの崎山律子氏をコーディネーターに、前田哲男・東京国際大学教授、川名紀美・朝日新聞解説委員、山内徳信・沖縄県出納長の三氏が講演を行った。

　山内氏は、「戦後半世紀が過ぎてしまったが、その間、沖縄の基地問題は遅々として進んでない。県民の願いがかなえられない五十三年間だった。沖縄の問題は人権問題だ。日米安保には、沖縄の意思は反映してないし、本土でも意見が分かれる。基地問題を解決するには、沖縄の百二十九万県民の力だけでは力不足。全国の一億二千万人の理解と力が必要。日本各地で世論を喚起し、その力で政治を動かしてほしい。沖縄と本土の世論が一つになったときに大きな力を発揮するだろう」と述べた。

　つづいて前田氏が、日米安保の問題について、「『安全保障』という言葉は国民生活をさまざまな脅威から守る政策と理解していいと思う。しかし、そこに住んでいる人が脅威や危険な目にあうならば、それは安全保障ではない。沖縄の人たちが日米安保によって犠牲を強いられ、日々危険を感じているならば、それは安全保障ではない。日本政府は、狭い沖縄ではなく、広い米国に基地をもっていくように米国政府に対して求めるべきだ」と問題提起した。

　最後に、川名氏が米兵による女性への性犯罪などの問題について、「いま沖縄の女性たちは、これまで表に出ることのなかった米軍による性犯罪事件を掘り起こしていこうという動きがでている。そして、基地がいかに非人間的な存在であり、安全とは結びつかないものであるか、国際的な世論に訴えようとしている。女性の人権、安全という視点に立って基地、安全保障の問題を考えてほしい」と女性の立場から訴えた。

　会場に入りきれないほどの人が集まり、沖縄問題への関心の高さが示された。

東京

全国から市民団体が結集

運動で政府を追いつめよう

　「全国から新ガイドライン・有事立法に反対の声を！九・二〇行動」が九月二十日、東京・池袋で開かれ、五百人が集まった。二百六十五人・七十団体以上の賛同で行われたもので、二十一日には国会要請行動も行われた。

　主催者あいさつのあと、北海道から沖縄まで、全国各地で活動している九団体が報告した。

　十六日から矢臼別演習場で米軍による実弾演習が行われている北海道からは、谷百合子氏（米空母に反対する市民の会）が、「今回の矢臼別での演習では、海兵隊の外出が許可された。防衛施設局は『慰安も含め米兵が本道の文化・歴史を学ぶのは誇りだ』という。慰安とは何のことか。『矢臼別の沖縄化』を感じている」と報告した。

　広島からは、九月七日から行われた「許すな！新ガイドライン　広島県全自治体キャラバン行動」について、湯浅一郎氏（ピースリンク広島・呉・岩国）が報告した。キャラバン行動では、広島県内の全自治体と、山口県、岩国市に対し、周辺事態法案の危険性の説明と、低空飛行問題などについて要請した。

　大分からは、有馬義二氏（ローカルＮＥＴ大分・日出生台）が、米国紙への「米海兵隊は日本にいらない意見広告」の取り組みなどを報告。　長崎からは、平和運動センターと市民運動などが七日に旗揚げした「新ガイドラインを許さない県民の会」から船越耿一氏が報告を行った。同会では、十一月三日の長崎新聞に意見広告をだす運動を取り組んでいる。

　最後に沖縄から「ヘリ基地ＮＯ！　女たちの会」の高江洲あやの氏が、「基地による被害や環境破壊を止めることができていない現状をとても情けなく思う。民衆の力を結集し、これ以上の被害がでないよう、今、止めなくてはならない」と、涙ながらに訴えた。

　集会後、参加者は池袋駅前をデモ行進し、都民に新ガイドライン反対を訴えた。

愛知

沖縄に基地はいらない

ピースアクション

　「沖縄に基地はいらない、有事立法反対九・二〇ピースアクション集会」が九月二十日、名古屋市内で開かれた。この集会は戦争責任問題や沖縄を課題に運動を続けている市民グループ「不戦へのネットワーク」が呼びかけた実行委員会が準備してきたもので、万博やめよう県民会議、不戦兵士の会、沖縄県人会有志、広範な国民連合・愛知などが参加した。

　集会は鮮やかな舞踊衣装をまとった沖縄出身者による沖縄民謡とエイサー太鼓につづいて、「沖縄」と「有事立法」に関する参加者の思いを語るリレートークが行われた。

　最初に立った沖縄県人会連合会の渡久地会長は、アジアの情勢に触れながら沖縄から基地をなくすことを強く訴えた。続いて全国戦災傷害者連絡会の杉山会長は、自身の空襲被災体験を話して戦争の悲惨さを説いた。また、広範な国民連合・愛知の寺尾代表世話人は「周辺事態法」の問題点を指摘し、これに反対する運動に参加することを呼びかけた。リレートークの最後には、浜松のＮＯ！　ＡＷＡＣＳの会よりＡＷＡＣＳ配備反対運動の報告が行われた。

　集会後、参加者はにぎやかなエイサー太鼓を先頭に、プラカードやのぼりを掲げながら「沖縄に基地はいらない！」「周辺事態法反対！」のシュプレヒコールを繰り返し、名古屋市の繁華街でピースデモを繰り広げた。