群馬
介護保険に「ちょっと待った」と運動を進めてきた群馬県のグループは、介護保険法成立後も「介護保障を考える会(仮称)準備会」で、引き続き運動を進めている。八月二十三日には武蔵野市介護保険担当係長の笹井肇氏を講師に「介護保険にどう対処するか」と題しての講演会が開かれ、自治体関係者を含め九十人が参加した。
笹井氏は講演で、介護保険の問題点を指摘した上で、武蔵野市の実情に触れ、介護保険の給付額が現行の武蔵野市のサービスよりも格段に低く、種類も少ないこと、またデイサービスでは現在の利用者のうち二五%の人たちが要介護認定で却下され利用できなくなったり、特別養護老人ホームを追い出される人たちが相当でてくる、などの具体的な問題点を指摘した。さらに介護保険では給付額を増やしたり、サービスの種類を増やしたり、却下された人たちへの保険福祉事業を行ったりすることは全て六十五歳以上の人の保険料を財源とするように定められており、実際には実行不可能である。武蔵野市としては、市の一般会計による市単独の福祉サービスを考えるなど、公的介護を保険制度で行うことの問題点を可能な限り是正し、何とか現行の福祉サービスを低下させない方向で介護保険に対処しようと努力していると述べた。最後に氏は、問題は介護保険制度にあるので、市町村にものを言うだけでなく、国に対してものを言っていく運動をすすめてほしいと訴えた。
会場からは、過疎地のデイサービスの従事者から、民間事業者に特養、デイサービス、在宅介護支援センターを委託し、そこに事業を独占させるためにデイサービスセンターの廃止を申し渡され途方に暮れているとの実情も報告され、介護保険で現実がどうなるか、改めて考えさせられる集会となった。
最後に準備会から、参加者に介護の保障を求めて、ともに国、自治体にもの申そう、自治体も国に遠慮せず一緒にもの申そうとの訴えがあり、終了した。
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代表者は「法成立で運動がしぼむのではないかと思っていたが、かえってさまざまな問題点が明らかになりつつあり、運動の輪が広がっている」と話している。
「介護保障を考える会(仮・準)」連絡先
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