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沖縄・米軍用地使用を許すな

反戦地主会などが集会

有事法制との闘いを


 沖縄県収用委員会は五月十九日、政府が米軍用地使用を申請した中で、五施設十三筆について政府の判決申請を却下した。これに対し、那覇防衛施設局は建設省に不服審査請求を行った。沖縄反戦地主会らは八月二十日、建設省に不服審査請求を却下するよう要請行動を行い、都内で報告集会を開いた。米軍基地撤去、軍用地使用反対の沖縄県民の闘いは前進している。


 反戦地主会らは八月二十日、建設省に対し、「行政不服審査法による不服審査は、国民が行政に不服がある場合、審査請求できるという主旨。行政(防衛施設局)が行政(建設省)に不服審査を求めるのは、主旨をねじまげている。県土の平和的有効利用のために、土地の早期返還を求める」と、不服審査請求の却下を要請した。

 同日、報告集会「反戦地主は訴える―日本政府は却下裁決に従え!新ガイドライン・有事立法反対!」が開かれ、約二百人が参加した。主催は反戦地主会、一坪反戦地主会と同関東ブロック。

 はじめに安里秀雄・違憲共闘会議事務局次長が「沖縄では『戦争難民』状態が続いている。目の前に自分の土地があるのに帰ることが出来ない。昨年の特措法改悪はまさしく有事立法。戦後五十三年、施政権は返還されたが、沖縄県民の人権は返還されていない」とあいさつした。

 要請行動の報告に立った照屋秀傳・反戦地主会会長は、収用委の一部却下裁決について、「強制使用が却下された十三筆は、二千人の地主の土地。反戦地主三千人の三分の二にあたる。この土地が却下になり、収用委の闘いが一歩前進した。次は他の土地についても却下をかち取りたい」と闘う決意を述べた。

 続いて、有銘政夫・違憲共闘会議議長が「沖縄と新ガイドライン」と題して講演を行った。有銘氏は「七二年の沖縄復帰以降、本土にあった海兵隊は沖縄に整理統合され、沖縄では米軍基地の約七五%が海兵隊基地になった。『安保は日本の安全のために必要』だとしても、まず攻撃を仕掛ける部隊である海兵隊は道理に合わない。また、九六年四月の安保再定義で、極東の範囲をインド洋から太平洋全域に拡大した。これは米国の世界戦略のために自衛隊が後方支援をするということで、『日本の安全のために』という論理は完全に覆された」と述べた。さらに「米軍の実弾砲撃訓練が五つの演習場に分散されたが、五演習場では野戦訓練やさまざまな地形での訓練ができ、演習の拡大強化である。安保再定義を背景に、海兵隊が大手をふって、日本全国どこででも演習できるようになった。新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)、有事法制のポイントは沖縄の基地。有事法制で米軍の後方支援が法制化されたら、抗議することが難しくなる。これを許したらとんでもないことになる」と述べ、沖縄の米軍基地の撤去は海兵隊の撤去につながる重要な闘いだと述べた。

 臨時国会では、新ガイドライン関連法案が継続審議となっており、沖縄の闘いは新ガイドラインに反対する重要な闘いでもある。


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