980725


国民連合

神奈川、長崎で第5回総会開催

国の進路、ガイドライン問題で記念講演


 七月十八日、「自主・平和・民主のための広範な国民連合神奈川」(代表世話人、竹田四郎・元参議院議員)の第五回総会が横浜市で開かれた。総会後、国民連合の代表世話人であり、元総評議長の槙枝元文氏が「新ガイドラインとアジアの共生」と題し、記念講演を行った。

 槙枝氏は、先の参議院選挙に触れ、「新ガイドラインを問題にした政党はいなかった。争点にもならなかった」とした上で、「これほど重要な、しかも国会で問題にすべき内容はいくつもある」と、政党や政治家に注文をつけた。

 新ガイドラインについては、安保条約の実質的な改定で、安保条約の対象が日本の問題ではなく、アジア全域に広がったと指摘した。わが国政府は「周辺」は地理的概念ではないとごまかしているが、「米国からすれば米軍が出動する地域だ」と鋭く暴露した。

 また中国、韓国などアジア諸国から新ガイドラインへの不信や批判が出ていることを取り上げ、「アジアの国々は日本を不信、軽蔑、警戒の目で見ている」「中国が『二国間条約をアジアに拡大するな』といっているのは当然だ」と話した。「日本は侵略戦争のけじめをつけていない。まるで米国の占領下の延長ではないか」との声がアジアにあることを紹介し、「アジアの人びととの精神的なつながりをつくるために、日本の国民がどういう運動を起こすかだ」と提起した。

 さらに、新ガイドラインにともなう有事法制の中で、特に周辺事態法を取り上げ、自治体、民間を問わず「協力」の名のもとに戦争にかり出される、「国民総動員体制を狙っていると言ってよい」と警告した。

 最後に「この問題を国民に広く知らせていこう。労働団体はもっと平和の問題に敏感になって大衆行動を起こす必要がある。国民的運動が必要だ」と訴えて、講演を締めくくった。

 講演会には、教組や地域で平和運動を担っている人びとが多数参加、講演に熱心に耳を傾けた。

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 七月二十日には長崎市で広範な国民連合・長崎(代表世話人、阿部國人・高退協会長)が第五回総会を行い、記念講演では槙枝元文氏が「このままでよいのか、これからの日本」と題して講演を行った。


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