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東京

介護保険

医療の現場から考える



 六月二十一日、東京・赤羽文化センターで、学習会「どうなる介護保険―医療の現場から」が行われた。主催は北区地域福祉を考える会。同会が介護保険や福祉問題について昨年八月から行っている連続学習会の一環。

 学習会では、都立病院勤務の中田孝行氏が、日本の医療制度の歴史や介護保険の抱える問題点などについて報告を行った。

 中田氏は介護保険について「今までの『措置制度』を『契約制』にするものだが、利用者とサービスを供給する者の関係が対等になっていないもとで契約制にすることは問題だ。また、新たに自己負担などが加わるため、金のない人は保険料を払っていても介護を受けられなくなる可能性がある。現在、病院に入院している患者の一割は『社会的入院』といわれており、介護保険はこの社会的入院の問題に対処するといわれている。しかし、介護保険では社会的入院が社会的入所になるだけの危険性がある。政府は福祉や医療の将来について、広く議論し、国民的合意をつくる努力をしなければならないし、私たち国民も、議論に参加していく努力をしていくことが大事だ」と述べた。質疑応答では、熱心な議論が行われた。


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