980515


沖縄の闘い 新たな高揚へ

米軍基地撤去、ガイドライン反対

政府が恐れる国民運動を

沖縄人権協会・福地 曠昭理事長に聞く


 新しい日米防衛協力の指針(ガイドライン)関連法案が四月二十八日、国会に提出され、日米物品役務相互提供協定(ACSA)も改定された。沖縄県民は当面、「五・一五」を中心に普天間基地無条件返還、ガイドライン反対の新たな闘いの高まりを構築しようと奮闘している。沖縄県人権協会・福地曠昭理事長に聞いた。


 沖縄では、労組や平和団体などが、五月十五日からの平和行進、嘉手納基地前行動、普天間基地包囲行動などを準備している。

 新ガイドラインに基づく有事法制では、日本全土が米軍に協力することを強いられるが、沖縄ではすでにベトナム戦争当時から事実上の有事法制下にある。湾岸戦争でも、海兵隊の出撃基地となった。

 有事法制は、日本全土の「沖縄化」である。戦争になれば出撃基地となり、日本全体が沖縄のように協力体制をとらされるどころか、攻撃対象ともなる。ガイドラインを通して、この問題が日本全体の問題であることを知ってほしい。今回の有事法制は、沖縄をはじめ基地のある自治体に事前に何の相談もなかった。公務員、看護婦、港湾労働者などが協力を義務づけられ、巻き込まれる。

 「日本の繁栄のために海兵隊が必要」というのならば、政治家の地元へもっていけばよい。少なくとも沖縄よりは広いはずだ。日本政府は反対している沖縄を説得するのではなく、米国と交渉すべきだ。ガイドライン関連法が、特措法(米軍用地特別措置法)の時のように国会でさっさと通ることを危ぐしている。

 沖縄では、県民あげての幅広い運動が前進している。九五年以降、以前にもまして、平和学習などで多くの教員や子どもが沖縄を訪れるようになっている。沖縄の運動が、米軍基地のある自治体をはじめ国民に広がりつつあるし、連携が深まった。

 沖縄は秋の知事選挙まで選挙が続くが、当然基地問題が中心となる。反安保、基地撤去を軸に、大衆運動も高揚するので、国民運動として政治的力を示す場だと思う。

 マスコミなどが「膠着(こうちゃく)状態」といっているが、運動はどんどん広がりをみせており、こちら側が押し込んでいる。政府は右往左往して自信を失って、ヘリ基地の陸上案を出したりしている。このように、どんどん運動が広がるのを政府は恐れていると思う。


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