980415


群馬 介護保険で学習会

構造的な問題点を指摘


 介護保険法が成立し、福祉、医療の分野では、手直しを求めるか、根本的に改めるために闘うかが、改めて問われている。群馬県前橋市では三月七日、「介護保険―何がどう変わるのか、どうしたらいいのか」をテーマに、勉強会が開かれた。主催は「ちょっと待った公的介護保険」県民の集い実行委員会。

 講師で特別養護老人ホーム・在宅介護支援センター施設長の鈴木恂子さんは「現在特養に入所されているお年寄りには、要介護度の重い方だけでなく、ホーム以外にわが家のない人たちも相当いて、介護度だけの判定ではホームへの入所さえおぼつかなくなってしまう。特養は生活保障も行っている施設で、介護保険だけでは無理がある。また、上限額を上回るサービスは全額自己負担になるので、上限額がどのように設定されるかは、利用できる介護の量と自己負担額を大きく左右する。各サービスの単価も大きな問題で、単価が高くなければ質の確保は難しいが、利用できるサービス量は少なくなってしまう。単価が安ければ利用できるサービス量は増えるが、質の確保が難しくなる。質も量も確保しようとすれば保険料を上げざるを得なくなる。これは介護保険の構造そのものの問題だ」と述べ、改めて介護保険の抱える問題点を指摘した。

 また、府中市における要介護認定モデル事業では、訪問調査の特記事項か医師の意見書に具体的な記載がなければ、一次判定を変更できないこと。また訪問調査の記録や医師の意見書の具体的な記載には、大変な労力と時間が必要であることなどから認定審査会は事実上形式的なものになる可能性が高いことなどが指摘された。

 最後に主催者から、今後も運動を続けていこうと呼びかけがあり、参加者は闘い続けることを確認し合った。


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