980405


北九州 新ガイドラインに反対し

民間港の軍事使用を考える


 「新『戦争マニュアル』に異議あり民間港の軍事優先使用を考える」集会が三月二十二日、福岡県北九州市小倉北中央公民館において行われた。この集会は、新「戦争マニュアル」に異議あり・北九州実行委員会が主催したもの。

 主催者あいさつに続いて、「関門港の現状と『有事』について」と題して、亀井義則氏(全港湾北九州港支部)が講演を行った。

 亀井氏は、「関門港は、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸と並ぶ六大港の一つ。山口県を含む九州の表玄関として、筑豊の石炭、八幡の鉄などの基幹産業を支え、国の発展に大きな役割を果たしてきた。有事の際には、新ガイドラインに沿って、港湾は弾薬など戦略物資の輸送の役割を担わされるのは確実だ。港湾は一種の巨大な戦略兵器なので、反撃の対象ともなる。朝鮮戦争時は、関門港から多くの軍事物資が運び出された。新ガイドラインでは博多港が利用港とされているが、直接間接にすべての港が軍事利用されるだろう。全港湾は地方議会などへの申し入れを行ってきているが、今後も軍事利用を認めない闘いを続けていく。特に『神戸方式』のように、非核証明書がない艦船の寄港を認めないなどの方法が有効ではないか。新ガイドラインの背景である、米国の『東アジア戦略』の片棒をかついでいる政治を変えていくことが必要だ」と述べた。

 さらに、港湾の規制緩和問題にもふれ、「過当競争・寡占(かせん)化・倒産・労働条件低下を招く規制緩和に反対していく」と決意を明らかにした。

 次に質疑応答が行われ、「神戸方式はどのようにして実現できるのか」「港湾の労働環境はどうか」などの質問が出された。亀井氏は、「神戸方式の実現には相当の運動が必要だろう。麻生福岡県知事は『親善目的の艦船寄港はかまわない』としている。全港湾ももっと他の労組や階層の人びとと連携する必要がある。日本の港湾業者は零細で、末端は日雇い労働者が支えている」などと述べた。

 この集会は対米追随の新ガイドライン、有事法制化に反対し、国の進路を転換させるための広範な運動にとって、有意義なものとなった。


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