横浜市長選
横浜市長選挙が三月二十二日、告示された。横浜市政は、巨大プロジェクト「みなとみらい（ＭＭ２１）」に象徴されるように、三菱や東急などごく一部の大企業に奉仕するもので、中小商工業者や市民の営業と生活は守られてこなかった。労働党神奈川県委員会は小杉ひでき同志を公認候補として擁立し、地域商工業者や市民生活に気配りある市政を実現するために奮闘している。三百三十余万市民に絶大なる支持を訴えた小杉ひでき候補の第一声を紹介する。
小杉ひでき候補の第一声（要旨）
市民の皆さん。皆さんは毎日の生活や仕事で横浜市政を身近に感じることができるでしょうか。私は、この市長選挙に立候補することを決めてから、約四千人の市民の皆さんと接してまいりました。商店街の皆さんが多かったのですが、中小企業の経営者、工場で働く労働者、多くの市民の皆さんと接してきました。多くの人が「横浜市政を身近に感じられない」「冷たい市政だなあ」と言っています。
何十年に一度という深刻な不況、しかも長く続いております。この不況の波をかぶって、中小零細企業の皆さんや商店街、労働者、市民の皆さんがたいへん苦しい思いをしているわけです。市民のための市政というのであれば、この人たちにきちんと気配りがされて、生活と営業が成り立つ市政でなければならないでしょう。私はこの点で、市政の基本方向を市民のための市政に切り換えたいと思います。
一部大企業が潤うＭＭ２１の中止を
これまでの市政、皆さんどうでしょうか。あのＭＭ２１で象徴されております。三菱や東急という、ほんのひとにぎりの企業だけが潤う市政でした。市民の税金がふんだんに使われて、確かにＭＭ２１の地域は、繁栄をしました。しかし、その周辺の地域はどうなったでしょうか。他の地域はバランスよく発展しているでしょうか。現市長はこう言っています。「ＭＭ２１の事業を続けることで、波及効果をもたらし、横浜市の経済も発展するんだ」と。この市長選挙でも、ＭＭ２１の事業を続けると言っております。現実はどうですか。関内地域、桜木町、野毛の地域などは地盤沈下を起こしているではありませんか。
全国にも知られる伊勢佐木町の商店街がさびれて、このままＭＭ２１の事業を続け、そこにこれ以上大型商業施設が呼び込まれれば、伊勢佐木町の商店街はやっていけなくなるでしょう。波及効果をもたらすどころか、現実に進んでいる沈滞を促して、さらにアンバランスな事態をもたらすでしょう。
またＭＭ２１、ほんのひとにぎりの企業に奉仕する市政のもとで、市政の借金は四兆五千億円にまで膨れ上がって、市民一人ひとりの肩に百四十万円という借金が重くのしかかっております。この事業をこれ以上続けるとしたら、今まで以上に市民の負担が重くなって、生活にも影響が出てくるでしょう。ですから私は、ＭＭ２１の事業を中止すべきだと、こう申し上げたいのです。
市民の営業と生活が成り立つ市政へ
市政の方向を、この横浜市の産業と経済の発展に尽くしてきた地域の商工業者、労働者、市民の皆さん、この人たちの暮らしと営業が成り立つような市政に切り換えなければなりません。十二万五千ある市内の事業所、この九割以上は中小零細企業です。この人たちは優秀な技術を持っております。意欲もあります。ですが、この不況のもとでなかなかうまくやっていけない現実があります。これまでも横浜市の経済の発展を支えてきましたけれども、これからこうした中小零細企業や商業者の皆さんが発展することで、横浜市の経済は発展していくでしょう。
この点から私は、中小零細企業、商業者の皆さんにきちんと気配りがされる市政を目指したいのです。ましてや、この深刻な不況、商店街のあちらこちらで「あそこの店がつぶれた」「ここの店がシャッターを降ろした」という声を聞きます。それも一つ二つの商店街ではなくて、どの商店街にも共通してこうした状況がみられます。
労働者はどうですか。働きたくても働けない。毎日、職安に通っている労働者もたくさんいるではないですか。
また、首をつって死ななくてはいけないような中小零細企業の経営者がいるではありませんか。先日の三人そろった自殺では、一人は横浜市民ですよ。この人たちが放置されて、せっせとひとにぎりの大企業に奉仕するような市政を、市民のための市政と言えますか。
私は、この市長選挙を通じて、ひとにぎりの大企業に奉仕する市政を切り換えて、地域の商工業者の皆さんにきちんと気配りがされて、労働者、大多数の市民の生活と営業が成り立つような市政に切り換えたいと思います。このことを訴えながら私は全力を尽くして、皆さんと共に頑張りたいと思っております。
私への一票は、二十一世紀を間近にした新しい横浜をつくる一票になります。横浜の新しい政治をつくる一票となります。皆さんにご支持をお願い申し上げまして、私からの訴えとさせていただきます。
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