970925


講演会「今問われる日本の進路」

 外交問題で幅広い戦線を(神奈川)


  横浜市健康福祉センターで十一月六日、「今問われる日本の進路―新ガイドラインとアジアの共生―」と題した講演会が開かれた。講師は、元駐インド大使、日中友好会館副会長の野田英二郎氏。
 この講演会は、日本がアジアの一員として、二十一世紀の将来も平和と繁栄を築いていく上で、新ガイドラインはこの流れに逆行するものではないか、日本の国の進路を共に考えてみようと企画された。
 呼びかけ人は、竹田四郎(国民連合・神奈川代表世話人)、高木東六(作曲家)、舘盛静光(前相模原市長)、宇井武(神奈川県文化団体連盟会長)、露木喜一郎(元県評議長)、伏見康治(元日本学術会議会長)、成島敏行(元県議会副議長)、武者小路公秀(明治学院大学教授)、又木京子(神奈川ネットワーク運動代表)、中野新(弁護士)、岸本重陳(横浜国大教授)、佐藤司(神奈川大学教授)、萩野芳夫(関東学院大学教授)、原田章弘(横須賀市議)、猪股美恵(川崎市議)の各氏。
 最初に、呼びかけ人の宇井氏が開会のあいさつを行い、「ゆれ動く日本丸がどういう道をたどるのか。アジアを中心としてグローバルな視点で考え、平和と民主主義の思いを結集しよう」と呼びかけた。
 野田氏は講演の中で「新ガイドラインを見る場合、米国の『東アジア戦略』をきちんと見ておく必要がある」、「政府は『周辺地域』をあいまいにしているが、台湾海峡と朝鮮半島が的である」と指摘し、日本の取るべき道として、「冷戦時代の遺物である二国間条約ではなく、地域の中での協議にもとづいた安全保障を行うべきである」と提起した。講演後は会場から活発な質問が出され、野田氏は「新ガイドラインが国会で議論されないこと自体おかしい。地域住民の監視、運動がだいじだ」と強調した。
 最後に、竹田氏が「こうした集まり、運動を通じてわが国の外交、安全保障を問題にし、広く戦線を構築していきたい」と締めくくりのあいさつを行い、講演会を終了した。
 外交官の豊富な経験を交えた野田氏の講演に聞き入った参加者からは「久しぶりによい話を聞いた」、「チラシを見てきたが、よかった」との感想も聞かれた。講演会には労働組合員や市民が参加、横須賀や大和など、米軍基地を抱える地域からの参加が目立った。


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