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前進する沖縄の闘い

県収用委員会、第8回公開審理

「独立国として恥ずかしい」


 十三施設、約三千人分の米軍用地強制使用手続き問題で、県収用委員会は二十二日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで第八回公開審理を開いた。会場には五百人をこえる反戦地主や支持者が集まった。
 この日の審理は前回積み残しの嘉手納基地の地主の意見陳述が行われた。地主の大城保英氏は「沖縄の空は米空軍の専用訓練空域として約四〇%が占領されている。嘉手納を中心に半径約九十キロ、久米島を中心に半径四十四キロの空域の管制権は米軍にある。主権の侵害であり、独立国として恥ずかしい実態だ」と指摘した。地主の有銘政夫氏と真栄城玄徳氏は、地籍不明地の強制使用の不当性を訴えた。また、女性の人権侵害が続いていること、米軍基地の犯罪性、嘉手納基地が町づくりの大きな阻害要因となっている実態などが、つぎつぎと訴えられた。
 米軍の不当な居座りを許さず土地の返還、基地撤去を求める闘いが、ねばり強く闘われている。


市民投票12月21日実施へ

勝利めざし署名活動展開

 名護市の比嘉鉄也市長は三十日、「米軍のヘリポート基地建設の是非を問う市民投票」を十二月二十一日に実施することを発表した。
 ヘリ基地反対協議会の宮城康博代表は「市民投票実現に際して名護市に望む」として、討論会の場を設けてほしいと訴えたが、市当局は拒否。あいかわらず、市民の声に背を向けたままだ。
 同協議会は十一月上旬にも反対署名活動をスタートさせ、十一月二十日には「ヘリ基地反対・投票勝利総決起集会」を開く。
 一方、振興策で条件付き賛成を打ち出している名護市活性化推進協議会は地域の事業所を中心に集票活動を行っており、闘いは大詰めを迎えている。
 辺野古漁港の監視事務所前では三十日、組合員ら約三百人が集り、海上ヘリポート建設反対、市民投票の圧倒的勝利をめざして気勢をあげた。


復帰25周年政府式典 新たな基地押しつけに反対

市民連絡会が発足

 「新たな軍事基地・海上ヘリ基地を押しつける復帰二十五周年記念式典に反対する市民連絡会」が発足し、二十八日、県庁でアピールと今後の反対行動を発表した。
 市民連絡会は沖縄戦記録フィルム一フィート運動の会、基地・軍隊を許さない行動する女たちの会、一坪反戦地主会など十団体で構成する。
 反対アピールでは「暴行事件に端を発した基地撤去の闘いを振興策と絡ませて終えんさせ、基地を安定的に確保しようと画策している」と指摘。大田県政に対しても「政府の方策を受け入れ、基地問題で振興策を引き出すテコとして利用する政治手法をとっている。そのため、ヘリポート基地反対と言えなくなった」と批判した。
 式典にあわせて県内の各団体を網羅した県民大会開催などを計画している。同会は十月三十日、三十一日に那覇市のパレットくもじ前で記念式典に抗議する座り込み行動を行った。


許せない! ひきもきらぬ米軍事故

岩国基地の米軍機、瀬戸内海に墜落

 山口県岩国市の米海兵隊岩国基地所属のハリアー攻撃機が二十四日、離陸直後に同基地沖約二百メートルの瀬戸内海に墜落した。付近では漁船が操業中で、墜落地点からわずか五十メートルしか離れておらず、現場付近には事故機の燃料がもれ出した。県と岩国市は岩国基地司令官に事故の再発防止を申し入れた。

石垣港沖で戦闘機が燃料タンク落下

 石垣港沖合いで十九日、燃料タンクが見つかった問題で、在沖米艦隊司令部は三十日、戦闘機が「射爆撃訓練中に誤って落としたもの」であることを公式に認めた。また、タンクには人体に有害な材料が使用されていることが明らかにされた。付近海上は、船舶が一日約百往復しており、一歩まちがえば大きな事故になっていた。八重山市長会の大浜・石垣市長は「基地があるないに限らず、沖縄全体が常時危険にさらされている。関係機関に厳重抗議したい」と怒りの声をあげた。


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