971025


 規制緩和・再販廃止反対

書店組合近畿ブロック 再販擁護で決起集会


 日本書店商業組合連合会・近畿ブロックは十月十七日、大阪市の中之島中央公会堂で「再販擁護・市民集会」を開催した。
 この集会には、近畿二府四県の書店商業組合から約五百人が参加し、橋本内閣のすすめる規制緩和・再販制度の廃止に強く反対した。
 第一部の講演会では、推理作家の和久峻三氏が「文筆業と再販」と題して講演を行い、再販制度廃止の問題点を鋭く指摘した。
 第二部の決起集会では、あいさつに立った今西英雄・近畿ブロック会長は、「再販制度の問題は最終段階を迎えている。来年三月までがヤマである。『例外なき』という言葉が横行しているが、例外は当たり前やないか。そのものに一番よい形を取ればいい。本の場合は再販制度こそが安く、便利で、中身が薄くならないために一番よい方法だ。これを『例外なき』という言葉でぶっつぶそうということであれば、本屋のおっさんの立場だけでなく、本当にわが国の将来を考えるうえからも阻止しなくてはならない」と力強く再販廃
止阻止の闘いを呼びかけた。
 続いて、来ひんあいさつに移り、日本書籍出版協会京都支部長の杉田信夫氏(ミネルヴァ社長)、大阪取次懇話会代表の宮本良明氏(大阪屋副社長)、日本書店商業組合会長代行の萬田貴久氏(東京都書店組合理事長)の各氏から規制緩和反対、再販制度擁護の決意が述べられた。
 萬田氏は、「規制緩和はもろ刃の剣だ。アメリカでも、イギリス、フランスでも、規制緩和が雇用の不安とか、所得格差の拡大を生んでいる。日本でも今、まさに崖っぷちに来ている」と発言した。
 また、この九月の地方議会で次々と「再販制度擁護」の意見書が採択されている報告が行われ、「地方から国会を包囲しよう」との提起が行われた。
  意見表明では、「本来著作物の再販制度は規制でもなんでもなく、読者のため、わが国文化のために、役立っている。それなのに再販制度を政治の駆け引きの手段として犠牲にしようとしている。これが日本の政治なのか。われわれ書店人は政治的関係を持たないが、これからもありとあらゆる手段で、再販制度を一致団結して守り抜かなければならないと決意している」と橋本政権に対する厳しい批判と決意が述べられた。
 最後に参加者全体の力強いシュプレヒコールで集会を閉じた。 


Copyright(C) The Workers' Press 1996, 1997