971005


青島都政に抗議コンサート

施設使用料値上げ許さぬ
多彩な音楽家が一堂に


 「芸術文化都市東京をねがうコンサート」が九月二十二日、東京芸術劇場で行われた。主催は日本オーケストラ連盟で、東京都文化施設使用料大幅値上げを許さない芸術・文化団体の会(実行委員長・中村紘子・ピアニスト)が共催した。
 このコンサートは、東京都が八月十四日に発表した「東京都財政健全化計画実施案」で、東京芸術劇場などの文化施設の使用料をほぼ二倍にすることを決定したことに抗議し、実施案の撤回を求めて行ったもの。
 コンサートでは、日本フィルハーモニー交響楽団や東フィル、東京シティフィルなど各楽団のメンバーが共同して演奏した。曲目は、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」第三幕への前奏曲から始まりシベリウスの「フィンランディア」まで八曲が演奏された。
 演奏の合間では特別ゲストが発言した。永六輔氏は「青島をかつぎ出した人間としては、責任を感じている。何が何でも取り下げさせたい」と述べた。
 黒柳徹子氏は「父親がバイオニリストとしてオーケストラで働いていたので、楽団の人が貧乏なのはよく知っています。撤回署名が二週間で六万人を超えたようですが、都民は千二百万人です。もっともっとたくさんの署名を集めましょう」と語った。
 最後は、全員でエルガーの「威風堂々」を合唱し、芸術・文化団体と都民が協力して都の実施案撤回を求めることを確認した。
 実行委員長の中村紘子氏は「今日のコンサート開催までわずか二週間の準備期間しかなかった。しかし、日本音楽著作権協会、日本作曲家協会や日フィルをはじめ各地の交響楽団など九十団体以上が賛同してくれた。運動はまだ始まったばかりだが、今日のコンサートを行ってみてきっと勝てると確信した」と経過と今後の決意をこめたあいさつを行った。
 なお、当日は会場に入れなかった人も多く、盛況かつ熱気あふれるコンサートになった。 


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