970925


加害の歴史を知らなければ

高校生の見た「七三一部隊」


 「七三一部隊の証言を聞く会」実行委員会の主催で、「高校生の見た『七三一部隊』」が九月十五日、東京で開かれた。
 第一部は「証言 伝えたい、真実を」と題し、元七三一部隊軍属の篠塚良雄さんと、元軍医の湯浅謙さんが戦争の体験を証言。七三一部隊で細菌製造にかかわったり、軍医として中国人を生体解剖した「加害」の体験が生々しく報告された。
 第二部では、東京や埼玉の高校生七人によるパネルディスカッションが行われた。七人は学校のサークルなどで七三一部隊の歴史や事実に触れ、文化祭や「七三一部隊展」などでパネルやレポート発表をした。
 パネラーの遠藤芳美さん(埼玉県立庄和高校二年、地理歴史研究部部長)と浦沢愛さん(同副部長)は部隊で使われたネズミの多くは埼玉県東部で飼育されていた事実を部活で調査し、昨年八月の「七三一部隊展春日部」でパネル発表した。
 また今年八月に中国東北部のハルビンや瀋陽を訪ね、地元の高校生と交流。遠藤さんは「中国へ行って驚いたのは、交流した生徒たちが謝罪を求めてはこなかったこと。謝罪ではなく、日本人が事実を知ることを求めてきた。加害責任ときちんと向き合って考えてからの謝罪でなければ意味がないと思った」と語り、同世代の高校生に「日本の加害の歴史を知ってほしい」と訴えた。
 会場には高校生や中学生、教職員や戦争体験者が多く集まり、高校生の率直な意見に熱心に耳を傾けていた。 


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