970825


日中国交回復25周年

日中学生会議

両国の学生が率直に討論 違いを超えて信頼築こう


 日中学生会議は八月十日、東京・国立オリンピック記念青少年センターにおいて『二十一世紀における日中のパートナーシップとは―国交正常化二十五周年以降の両国関係のありかたを考える』と題したシンポジウムを開催した。

 今回のシンポジウムは、八月五日から十七日まで中国の学生を招いて交流・討論する日本会議の一環として行われたもの。

 会場には、中国の学生(北京大や上海大など)も数多く参加、総勢百人あまりのシンポジウムとなった。

 開会の挨拶に続いて、日中学生会議が両国の学生や大学関係者を対象に行ったアンケート調査を基にした研究発表が行われた。

 アンケートは両国で同様の主旨で行われ、たとえば「あなたが日本(中国)に感じる魅力とは何ですか?」「国際社会から求められる、これからの日本(中国)の役割、責任は何だと思いますか」、「日本(中国)を色にたとえると何色」など多岐にわたるものである。

 また、「日本と中国のどちらでもない立場から」ということで南ドイツ新聞極東特派員のゲプハルト・ヒールシャー氏からスピーチが行われた。

 同氏は「日中両国間の歴史認識の問題では日本側の責任が大きい」として、教科書における従軍慰安婦の記述をめぐる問題について「隠すのではなく、詳しく若い人が理解できるように載せるべきだ」と指摘した。またアジアの国々から出ている個人補償を求める声についても「個人の請求権を認めて、誠実に対応すべきだ」と指摘した。

 続いて、同会議の顧問でもある青山学院大学国際政治学部の天児教授からもスピーチが行われた。

 天児氏は「日中両国の間には政治的、文化的な違いがある」と前置きした上で「そうした違いを乗り越えて信頼関係を築くには、このシンポジウムに参加しているような若者、青年一人ひとりの活動が重要である」と述べ、青年間の相互交流の重要性を強調した。

 またテーブルディスカッションも行われ、両国の学生が率直な意見や見方を出し合い、学生という立場から自由な討論が交わされた。


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