970225


日中国交回復25周年

日中共同声明、平和条約の大原則堅持を確認

超党派で200人以上が参加

日中議連が3年ぶりに総会


  日中友好議員連盟(四百六十三人の衆参国会議員が参加)は二月十九日、約二百人が参加して三年ぶりに総会を開催した。総会では、二見伸明副会長が経過報告を行い「日中間には一時停滞した時期もあったが、双方の努力で好転している。私たち日中議連としての基本姿勢は終始一貫しており、日中共同声明、日中平和友好条約の精神を順守して、懸案の解決にあたるということだ。今後もこの大原則を堅持していきたい」と述べた。日中国交正常化二十五周年の今年、早い時期に訪中団を派遣し、両国関係の発展に努力していくなどの方針を確認した。また、会長には林義郎氏が再選され、副会長に保利耕輔氏など七人、幹事長には町村信孝氏が選ばれた。顧問には桜内義雄氏など九人、理事に自民党二十七人、新進党二十人、民主党四人、社民党四人、公明(参議院)二人、太陽党二人、民改連二人が選ばれ、文字通りの超党派による役員体制が確立した。

 昨年四月の日米安保共同宣言以降、保守層のなかには「中国脅威論」が急速に高まり、台湾問題、尖閣諸島問題など日中関係は国交回復以来最悪の状態となっている。二月五日には、自民党の日華議員懇談会と新進党の日華議員連盟が合同するなど、反中国の動きがさらに強まっている。

 こうしたなか日中議連が三年ぶりに総会を開き、新役員体制を確立したことは、日中関係を打開するうえで積極的な意義がある。総会での林義郎会長のあいさつと徐敦信中国大使のあいさつを紹介する。


林義郎会長あいさつ

 日中議連は現在、数ある議員連盟のなかでも一番大きい議員連盟で、どこにも負けない方々がお集りになっています。いかにわが国の国会議員が中国との関係に関心を持っているのかという現れだと思います。

 今年は日中国交正常化二十五年目になりますが、日中議連は日中貿易促進議員連盟などという格好で、国交のない時期からいろいろと活動をしてまいりました。そういう流れをくんだ由緒ある議員連盟だと私は思っておりますし、誠意をもっていろいろな問題をやっていかなければならないと思っております。

 先ほど、これまでのお話がありました。今年も早くから中国に行かなければならないと思っておりますが、私自身いろいろな仕事を持っておりまして実現できずにおり、おわびしなくてはと思っております。国会の方も滑り出しましたので、こういう問題をきたんなく与野党問わず議論できることを喜んでおるところです。出来るだけ早く中国に参りたい。

 もう一つは、中国の問題については、勉強会をやっていきたいと思っております。

 今年は日中国交回復二十五周年ですから、いろいろな行事を民間団体もやるし、私もいっしょになってやることになりますが、皆様方のご協力を心からお願い申し上げます。

 日中の関係はいろいろな問題がある。尖閣問題、漁業問題、経済協力問題、歴史認識問題がある。大きな問題は台湾をどうするかという問題がある。また香港が返還になるとこれにどう対処していくのかという問題もあります。私はそうした問題を考えるときに、隣国でありますから少しは波風が立つことはあるかもしれません。大局を忘れずに日中の友好を図っていくことはわれわれの使命であると思います。

 日中国交回復をやりましたときに、日中の二千年の歴史を顧みて国交回復しましょうと当時の田中総理が言われた。私たちは長い歴史と文化の上に立って日中の関係をこれからさらに発展させていかなければならないと思っておるところです。


徐敦信中国大使あいさつ

 中日国交正常化二十五周年にあたり、日中友好議員連盟が本日ここに議員総会を開き、新しい指導体制を確立されたことは、実にすばらしいことであり、大きな励ましを覚えるところであります。

 早くも二十五年前、わが両国の指導者また古い世代の政治家たちは、中日国交正常化の実現は両国関係史の新たな一ページを開くことになろうと予言いたしております。二十五年来の実践を経て、この論断は実に先見のある論断だと思います。

 中日善隣関係の再建と発展は、われわれ両国国民の現実的かつ長い利益に合致するばかりでなく、アジア太平洋地域ないし世界の平和、安定、発展にもつながるものであります。

 中日関係は二十五年来、長足の発展をとげておりますが、これは両国政府と国民が主に努力した結果でありますし、日中議連の方々の心血を注がれた努力の結果でもあります。日中議連の歴代の指導者あるいは政治家の方々が中日国交正常化の実現の推進、中日平和友好条約の締結あるいはその後の中日友好協力関係の全面的な発展のために捧げました重要な貢献を中国政府また中国の国民は永遠に忘れることはできないと思います。本日のこの機会をお借りしまして、日中議連の皆様に心から敬意を表し感謝を申し上げます。

 中日両国はお互いに重要な隣国であり、「和すれば両立し、闘えば共倒れ」。これは中日関係のすべての歴史がわれわれに教えてくれた一番貴重な教訓であります。

 二十五年来国際情勢は大きく変わり、われわれ両国も国内で大きな変化がありました。しかし中日友好を維持し、発展させる重要な意義はいささかも変化はないと思います。

 中国政府の中日善隣関係を発展させる方針は何ら変化はありません。日本政府も、また日本側におかれましても、ぜひわれわれとともに中日共同声明、中日平和友好条約のもとで両国関係を引き続き発展させていただきたいと希望します。

 また、日中議員連盟の皆様方にはこれまで通り高い見識から、声明と条約の各原則と精神を維持し、中日関係の持続的、安定的また健全な発展のために、新たな貢献をされますように心から期待します。

 今年中国は、香港の返還と中国共産党第十五回大会の開催を迎えることになります。中国の政治生活のなかのこの二つの大きな仕事は重要な意義があり、世界からも注目を集めております。この二つのことは必ずや大きく中国の現代化建設と国の統一事業を促進することになるだろうと確信します。

 苦難と激動の二十世紀はいよいよ終わります。希望に満ちた二十一世紀がわれわれに迫っております。二十一世紀の中日関係は平和友好また活力のある友好関係でなければなりません。ぜひ共に努力して中日関係のさらなる素晴らしい未来を切り開いていきましょう。


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