97新春旗開き 来賓あいさつ


丸岡義博 氏

(日本書店商業組合連合会常任委員)

廃業の危機にある中小書店


 書店商業組合は全国で一万二千軒の皆さんが加入しています。書店の地位向上をめざしている団体です。

 現在、書店には大きな問題が三つあります。一つは再販の問題。第二点が消費税の問題、第三点が過剰な出店の問題です。

 再販の問題ですが、公正取引委員会が書籍雑誌の再販制度の廃止を検討しています。再販というのはメーカーである出版社が値段を決めて値段を守らせる制度です。これによって値段に対する信頼感が生まれ、教育文化の普及がなされてきたと信じています。

 書店組合としては百万名の署名運動を展開していますが、読者の理解を得ると同時に国会にも働きかけながら、再販制度を守っていいきたい。

 二番目の消費税ですが、これは低所得者層に負担がかかる逆進的な税制です。消費税について東京組合、全国組合、書店組合として反対の姿勢をとっています。五%にすることにももちろん反対です。

 しかしながら今問題になっておりますのは、表示問題です。現在は内税で、消費税を加えた最終価格を定価という形で明記しています。五%になると書店が非常に混乱します。書店組合のほうでは内税がいいのではないかということでお願いしていますが。

 三番目の問題は過剰な出店です。昨一年間の新規出店は九百二十店舗で前年比でみますと、約一七・三%増です。しかし、業界全体の売り上げは二・四%しか上がっていません。結局、既存の書店の売り上げが落ち込んでいるというのが現状です。

 また、書店の廃業が増えています。年間で一千軒くらいです。大きな書店が大都市に集中し、中小書店と地方の書店がつぶれているなかで、今まで文化の普及をになった書店がこれからどうなるのか、危機を感じております。

 今後の日本労働党の躍進を期待しまして、新年のごあいさつとさせていただきす。


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