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労働新聞 2021年1月25日号・6面

2021新春議員・候補者メッセージ(1)

健康と生活守る役割 しっかり果たす
東京・荒川区議会議員/あらかわ元気クラブ 河内ひとみ

 新型コロナ感染拡大により緊急事態宣言がなされた状況の中で、議員としての活動のあり方を考えながら日々の活動をこなしています。
 感染拡大の元凶であった「GoToキャンペーン」は感染症に対する国民の注意意識を緩くさせてしまいました。読売新聞社による全国の世論調査では、菅政権の不支持率が四九%で、支持率三九%と逆転しました。緊急事態宣言がなぜ全国になされないのか、本気で終息をめざしているのかといった疑問や、「国民の命と生活を守る」のではなく「政権の維持が大事」という菅政権の本質が見抜かれた結果ではないでしょうか。
 菅政権は、成長戦略会議を新設して竹中平蔵氏やD・アトキンソン氏のようなメンバーを採用し、中小企業つぶし政策を進めようとしています。これでは非正規労働者がさらに増えることになります。
 一月八日の厚生労働省の発表によると、コロナ禍で解雇や雇い止めに遭った労働者は全国で八万八百三十六人(うち非正規労働者は三万八千五百九十八人)と膨大な数ですが、これは今後ますます増えていくことでしょう。
 東京都では、二回目の緊急事態宣言が一月七日に発令されましたが、十六日現在の発表では千八百九人と、宣言から十日たっても感染は拡大し、入院待ちは七千七百二十七人まで増え、都内のベッドが不足し医療崩壊が始まっています。
 私が今年になって対応した荒川区の七十五歳の一人暮らしの高齢者の事例を紹介します。一月十日に発熱し、十二日にPCR検査陽性となりました。保健所からの連絡がないため自分から保健所に問い合わせて入院待ちとなったのですが、入院の連絡が全く来ません。病状確認の電話もかかってきません。熱は一時下がりましたが十六日に再度発熱し、呼吸苦が出現しました。病状は私が毎日電話で確認していましたが、声の調子がおかしいのですぐに救急車を呼んでもらいました。ところが入院先が見つからず五時間後ようやく大学病院に決まったというのが東京の医療実態です。神奈川県大和市の自宅療養者が死亡したというニュースが流れましたが、ひとごとではありません。
 このような事故が起こったのは、国がこれまでやってきた保険医療福祉政策に原因があります。保健所が縮小され、保健師不足のため業務がこなせない。大和市のように二日たってからやっと連絡するなどという状況は、本来あってはならないことです。感染症ベッドが不足していることは、赤字の公立病院の合併や独立行政法人化や縮小といったこれまでの医療改悪が原因です。介護保険による訪問介護や訪問看護の人材不足も、十分な報酬を支払ってこなかったことによる結末です。地域を守る保健師の本来の役割を整理して、病状安否確認をして早期の入院調整がスムーズに行われるような行政改革が必要です。健康と生活を守る看護師・ケアマネジャーとして、議員としての役割をしっかり果たしていきたいと思います。
 本年も皆さまのご指導・助言をいただきながらがんばります。


町独自の雇用確保政策実現へ全力
福岡・みやこ町議会議員 柿野よしなお

 新しい年を迎え、いかがお暮らしですか。
 一昨年から始まった新型コロナは、いま世界で猛威を振るっています。
 日本では昨年四月に出された一回目の「緊急事態宣言」によりいったんは下火になったコロナでしたが夏場の第二波、続いて十一月からの三波と大きく感染が広がっています。今年一月七日から第二回目の「緊急事態宣言」が一部の都府県で出ていますが、感染拡大の勢いは収まるのか、まだ先が見えません。
 新型コロナによる「緊急事態宣言」や景気後退により雇用の悪化が襲っています。パートや派遣などの雇い止めや雇用調整助成金をもらって息をつないでいる会社もやがて助成金がなくなり、苦しくなってきます。
 私は昨年六月から、新型コロナで失業や収入減少によって生活が困窮している状況をわが町や、周辺自治体を回り調べてみました。 コロナ禍による生活困窮世帯の支援策として緊急小口資金、総合支援資金が社会福祉協議会より貸し付けられています。
 わが町では緊急小口資金の貸付件数は通常では一年間に五〜六件といいます。ところが二〇二〇年十一月末時点では緊急小口資金百件、総合支援資金八十八件と驚くべき数に達しています。また生活保護世帯も増えています。
 県下で見ると、自動車産業の盛んな自治体の件数が極めて高いことが分かりました。例えば隣の町では自動車工場があり関連の企業が集積しています。人口はわが町(一万九千人)の二倍(三万七千人)で貸付件数は千件に達しています。この町では通常では二十件程度ということですから実に五〇倍もの貸付件数になります。ここの社会福祉協議会は失業した派遣労働者へ貸し付けが大変多いと答えていました。いち早く雇い止めに遭っている実態が見えてきます。
 地域で働く知り合いから身の回りの雇用の状況が伝えられています。「もう少し働きたいが、会社から解雇の通知が来ている」とか、「派遣社員がいつの間にかいなくなっている」「どこかの会社では正社員の解雇が始まっている」とかの話です。こんな中で生活困窮者が大量に生まれているのです。
 私が個人で参加している労働組合によるとコロナ禍の中で不当な労働行為が横行しています。突然の解雇通知や残業代未払い、各種のハラスメントなどで組合への相談が増えています。
 昨年十二月議会でこうしたことを踏まえ、コロナ禍の中で生活を支えるという観点から一般質問を行いました。困窮者への対応は社会福祉協議会が行っていて、町のコロナの感染対策を子育て健康支援課が担当し、生活支援対策を保健福祉課が担当するなど、どこに相談に行けばと迷うことが問題となりました。支援策は子育て世帯への給付金、五割のプレミアム付きの商品券発行、医療や福祉施設への給付金などです。生活困窮世帯への対応や雇用対策に手が届いていないと心配になりました。
 今後長引くコロナの影響で生活困窮者がさらに増えることが予想されます。貸付金や給付金の支給の期限も迫っています。私は地方議員として新型コロナの相談窓口の設置、失業者の町独自の雇用確保などを訴えていきたいと思います。


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