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労働新聞 2020年1月1日号・8面・16面

2020 新春各界メッセージ

要旨・見出しは編集部による
(順不同・敬称略)

「人と命が輝く社会」の実現へ
社会民主党党首 又市 征治
 新年明けましておめでとうございます。
 昨年の統一自治体選挙および参議院選挙は、社民党の存亡をかけた政治決戦となりました。目標とする議席増は果たせなかったものの、比例得票率二%を獲得して政党要件を維持することができました。「憲法を活かす政治」で「支えあう社会」をめざす社民党の訴えに対して、多くの方にご支援・ご協力を賜り、心から感謝いたします。
 国会では、歴代最長となった安倍政権の下で、隠ぺい・改ざん、ねつ造・偽装など行政や政治の私物化と、ウソやごまかしの「忖度政治」が横行し、民主主義の根幹が揺るがされてきました。参院選後、社民党は、衆参両院で立憲野党の共同会派を組み、消費税増税や年金財政検証、全世代型社会保障、日米貿易協定、日韓・日露外交など山積する諸課題に対する安倍政権の姿勢を追及しました。野党の結束した闘いは、公選法違反疑惑の二閣僚を辞任に追い込み、また公平・公正さを損なう大学入試共通テストの民間英語試験や国語・数学の記述式問題の導入を延期させました。首相主催の「桜を見る会」と後援会による「前夜祭」では、政治の私物化、公選法や政治資金規正法違反の疑い、招待者に反社会勢力も含まれていたなど、次々と問題が明るみになりましたが、安倍首相は野党の追及に逃げ回り、幕引きに必死です。国民への説明責任を果たすよう、通常国会でも厳しく追及していきます。
 今年は、衆議院選挙が必至です。「二〇二〇年改憲」を公言し憲法九条改悪に突き進む安倍政権を退陣に追い込むために、立憲野党が必ず勝利しなければなりません。今のゆがみ切った政治を変えるため、社民党は市民の皆さんとの共闘をさらに強め、民主主義と立憲主義を国民の手に取り戻すために闘います。憲法改悪を許さず、命と暮らしと雇用を守る「人と命が輝く社会」の実現に全力を尽くします。
 皆様方のご健勝、ご活躍を祈念しメッセージとさせていただきます。


憲法を生かす政治への転換を
新社会党中央本部委員長 岡崎ひろみ
 あらためまして日頃より新社会党の活動へのご理解とご協力に感謝申し上げます。今年も引き続きご助言、ご鞭撻(べんたつ)よろしくお願いいします。
 安倍自公政権は「桜を見る会」や側近の政治私物化に対する批判や疑惑に応えることなく、政権の末期症状を巨額なバラマキや嫌韓キャンペーンで乗り切ろうとしています。こんな政権の継続を許していることに忸怩(じくじ)たる思いです。
 いずれにしても二〇二〇年は、「失われた『平成』の三十年」と言われる新自由主義政策から、人間の尊厳が最大の価値としての政治へ転換できるのか、分岐点となる年であることは間違いありません。
 もし、それが実現できなければ日本の国民大衆だけでなく、アジアの人びとにも多くの困難と緊張をもたらすことになるでしょう。今年は、野党と市民と労働者の共闘を深化させ、格差と貧困を拡大させる政治から、憲法を生かす政治へ転換するために共に奮闘しましょう。


アジアの一員としての日本へ
自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人 西澤 清

 新しい年を迎えました。植民地支配、徴用(権力による強制)令による労働は国家的犯罪です。一九四五年までに日本が「ご近所さん」に行ったさまざまな権力的支配は「悪いこと」です。その最中に行われた関東大震災時の国家・民衆による朝鮮人大虐殺はアウシュビッツに匹敵する歴史的事件で「日本人の責任」です。ところが日本でこの事実を否定する動きがあります。ドイツのメルケル首相は、昨年十二月六日にアウシュビッツを公式訪問し「ドイツ人は犠牲者に対して責任がある」と述べています。政治家として正しい姿勢です。
 昨年からの日韓関係は戦後最悪とも言われています。根幹にある問題は日本の植民地支配の総括(反省しない日本)です。日本企業を訴えた「徴用工訴訟」で、韓国の大法院は個人請求権を認め日本企業に支払いを命じました。同じ問題で、日本の最高裁は個人の請求権は認めたが裁判で解決するものでないとしました。しかし、過去には関係者の自発的努力を求め「花岡事件(中国・鹿島)」などで企業は、被害者に対する謝罪と賠償を行いました。
 この中国と韓国との扱いの違いは戦勝国・中国と植民地国・韓国か「経済的力量の差」位しか考えられません。ここまでこじれたのは「無礼な」河野太郎外相(当時)の外交的失策です。日本政府の歴史的反省のない扱いは、国内での高校無償化・幼児教育差別的扱い、ヘイトスピーチなどにつながっています。
 国民連合は十一月の全国総会で東アジアとの連帯・友好・共生を進めることを決定しました。米国に従属した安倍政権を倒し、史実を明らかにし、歴史に対する責任を自覚し、アジアの一員の日本にするため運動を前進させようではありませんか。


激動の年、亡国宰相・安倍打倒!
元参議院副議長/
自主・平和・民主ための広範な国民連合代表世話人元参議院副議長 角田 義一

 激動の年、亡国宰相・安倍打倒!
 広範な民衆を結集して新しい政権をつくろう


安倍政権の敵視政策と闘う
在日本朝鮮人総聯合会中央本部国際・統一局
 日頃より独立・自主を掲げながら運動を繰り広げておられる皆様に敬意を表します。並びに、在日朝鮮人の諸権利の擁護、朝日国交正常化と朝鮮の自主的平和統一に向けたわれわれの運動への変わらぬご声援に対して心より感謝申し上げます。
 周知のように、一昨年、朝鮮は、史上初の朝米首脳会談で合意した六・一二シンガポール共同声明と北南首脳会談で採択された四・二七板門店宣言、九・一九平壌共同宣言を誠実に履行し、朝鮮半島と地域に平和と安定、和解と協力に尽くしてきました。
 しかし、米国と南朝鮮当局が朝鮮の一方的な核放棄と制裁維持に固執し、「新たな朝米関係を樹立」するというシンガポール共同声明と、「民族自主と民族自決」を約束した北南共同声明に相反する行動をとったことにより、現在朝鮮半島情勢は重大な岐路に差し掛かっています。
 私たちは米国と南朝鮮当局が、朝鮮半島情勢の重要な分岐点に差し掛かっているということをしっかり認識し、朝鮮政府の方針を真摯(しんし)に受け止め、朝鮮半島の平和体制構築について熟考すべきだと思っています。
 安倍政権は事あるごとに、「無条件対話」を口にしながら、その裏で高校無償化に続き、幼保無償化制度からも朝鮮幼稚園を排除するという前代未聞の差別政策を取っています。これに対し朝鮮は安倍政権が対朝鮮敵視政策を改めない限り対話の窓すら開かくことはないと思います。私たちは、これからも日本政府が一日も早く平壌宣言の精神に立ち返り、不幸な過去の清算と朝・日の関係正常化に真摯に取り組むことを求めてまいります。
 今後も、皆さんとの連帯をいっそう強化し、朝日友好親善と朝鮮の自主的平和統一をめざし、民族教育の権利を守り抜く闘いを一歩もひるまず果敢に繰り広げていく決意です。
 新年を迎え、皆様のご健勝とご多幸を心より祈念いたします。


安倍政権による軍事大国化と対決し憲法改悪を阻止する共同戦線構築を
部落解放同盟中央執行委員長 組坂 繁之
 安倍政権は、昨年の参議院選挙で改憲発議に必要な三分の二の議席確保ができなかったにもかかわらず、あくまでも憲法改悪に固執しています。しかも歴史修正主義のもと、徴用工問題を契機にした日韓関係の悪化や中国敵視政策が続けられています。また、米国と中国との貿易摩擦の激化による世界経済の不透明感が増し、欧州連合(EU)諸国をはじめとする経済危機の深まりのなかで、政治的には差別排外主義が台頭するなど、人権や平和の課題も大きく後退しています。
 安倍政権も、消費税増税を強行し、社会保障費を削減する一方、軍事費を増大させ、戦争推進施策を進めようとしています。特に年末に閣議決定された中東地域への自衛隊の派兵は、米国主導の「有志連合」に同調するものであり、国会の承認もなく、海外派兵を恒常化させるものです。沖縄県民の民意を無視する沖縄・辺野古の新基地建設の強行でも明らかなように、安倍政権が絶対的に必要としているのが、米国とともに戦争を行うため憲法改悪です。
 私たちは、この憲法改悪を断固として阻止しなければなりません。この間の新自由主義による貧困と格差の拡大、固定化をはじめ、長時間労働の強制と非正規労働者の増大のなかで、社会的矛盾が深まり、ヘイトスピーチのように差別と暴力を公然と煽動(せんどう)する差別排外主義が横行しています。この間、幅広い反差別共同闘争の取り組みのなかで、「障害者差別解消法」や「ヘイトスピーチ解消法」「部落差別解消推進法」が施行されましたが、いまだに確信犯的で悪質きわまりない差別事件が続発しています。私たちは個別人権課題の法制定の成果を結集し、国内人権委員会設置など、包括的な人権の法制度確立にむけて取り組みを進めます。
 また、半世紀を超えた狭山事件の再審に向けた闘いも、石川一雄さんの無実を明らかにする科学的な手法による新証拠が提出されています。今年こそ、再審実現を勝ち取っていかなければなりません。
 戦争への危機がますます深まるなか、部落解放運動は、こんにちの日本社会の差別構造を打破し、部落解放−人間解放の実現を勝ち取るために、差別と戦争に反対し、人権と平和、民主主義の確立をめざした協働の闘いを進めます。


持続可能な食と地域づくりに尽力
全国農業協同組合中央会会長 中家 徹
 昨年八月、二〇一八年度の食料自給率がカロリーベースで三七%と発表され、日本において過去最低の数値となりました。
 「食」は命の源です。しかし、その「食」を支える農業、そしてその農業を基幹産業としている農村は、大きな危機に直面しています。基幹的農業従事者数はこの三十年で約百五十万人減少し、平均年齢は約十歳上昇しています。そして、耕地面積もおよそ八十万ヘクタール減少しています。
 一方、世界規模でも災害が多発し、世界全体の人口増加、新興国の急速な食生活の変化などにより、中長期には、世界的な食料需給ひっ迫の恐れがあります。
 これらの課題はいずれも容易には解決しえないものばかりですが、JAグループはこれまでも、人と人の繋がりである「協同の力」や組織の「結集力」によって、困難を乗り越えてきた歴史があります。
 本年決定される予定の「食料・農業・農村・基本計画」は、今後五年間、国が取り組む方向性を示すきわめて重要な計画です。引き続き、JAグループは「持続可能な食と地域づくり」の観点が盛り込まれた基本計画となるよう、政府・与党等への働きかけを進めてまいります。
 そして、食や地域に携わるさまざまな団体と連携しながら課題解決に向けた取り組みを行うほか、国民的議論となるよう情報発信を強化し、消費者の皆様の理解もいただきながら、ともに実践を進めていく年にしたいと考えております。
 本年も引き続き、JAグループならびに本会の事業運営につきましてご理解とご協力を賜りますことをお願いし、年頭にあたってのごあいさつとさせていただきます。


弾圧で「関生魂」は消せない
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長 武 建一
 「明けましておめでとう」とはいえない年明けとなりました。連帯ユニオン関西地区生コン支部(関生支部)に掛けられた、戦後最大の権力弾圧によって五十七人の仲間が逮捕され、一年五カ月になるもいまだ二人の仲間が勾留中です(十二月一日現在)。
 そして、保釈を勝ち取り、勾留から解き放たれたと思いきや、組合事務所の出入り禁止、組合員との交信禁止など、保釈は名ばかりで、自宅での軟禁状態にあります。
 なぜ関生支部が弾圧されるのか。
 二〇一七年十二月十二日の運賃引き上げを求めたゼネラルストライキに始まります。中小企業の生コン業界を協同組合に結集し、生コン建造物の安心・安全・安定を保証するためにも、生コン価格の適正化・品質保証・安定供給の実現をめざして生コン関連業界と労働組合が連携・協力して取り組む政策運動(関生型運動)をつぶすため、一八年七月から大阪広域生コン協組が事件をデッチ上げ、その先兵として滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警が関生支部弾圧に狂奔しています。
 中小企業と労働組合が協力・連携して中小企業間の過当競争を抑制する協同組合化の実現によって、適正価格の収受、品質保証、安定供給を実現し、そして関連産業における労働者の高いレベルの賃金・労働条件を確立してきました。
 産業別労働運動を展開する関生支部の存在は、企業内労働組合に封じ込めている日本労働運動の再生に繋がることを恐れた資本・権力の危機のあらわれです。資本主義の根幹である「大競争」の産業・社会システムが崩壊し、資本主義の終わりを告げることになるからです。
 資本や権力が、関生支部への物量的な弾圧をいくら繰り返しても、「関生魂」の思想は消せません。全国の仲間と団結し、闘い続けることを決意して新年のごあいさつとさせていただきます。


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