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労働新聞 2019年2月5日号・3面

近畿地方委員会/大隈鉄二議長が講演 

労働組合軸に行動を呼びかけ

 党近畿地方委員会主催の新春講演会・旗開きが一月二十七日、大阪市内で、各界の来賓や支持者、近畿各県の同志の参加で開催された。
 第一部の「新春講演」では主催者を代表して、党大阪府委員長の川崎正同志があいさつを行った。
 講演は党中央委員会議長の大隈鉄二同志が行った。
 大隈議長はまず、世界の難民数の急増やますます少数者に富が集中している事実を示しながら「世界の乱世の奥深い基礎に経済問題があり、多数の人民の生活諸条件が耐え難い状態になっている」と述べた。
 そして「日本の政治家や知識人などが、このすさまじい貧富の格差の現実を直視し、声をあげ、闘っているか」「闘いを始めなければ」と述べた。
 次に世界情勢などを理解する上で、わが党の見解について、いくつか触れた。
 米ソ冷戦終結後の国際政治、大国政治を理解する上でわが党は「特殊な多極化」と説明してきたこと。さまざまな国際会議で安倍政権は米国の代弁者として振る舞っており、「安倍自公政権は米帝国主義に徹底して追随し、わが国を危うくしている」と述べた。「選挙一辺倒でなく、議会内闘争と議会外闘争との結合、壮大な国民運動の構築」など、党の見解を訴えた。
 続いて、「急激しかも複雑な変化を遂げる世界情勢把握の観点と具体的論点」について述べ、「より歴史的、本質的な観点」の重要性を指摘し、グリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)元議長の「回顧録」などを例に挙げた。
 大隈議長は、急速な技術革新について「現在進みつつある技術革新はロボットの労働力化であり、資本主義的生産様式になじまない」と指摘した。
 「国内情勢の展望と課題、闘い」では、金融・経済危機が迫るなか、膨大な国債を抱えた日本は対応しようがないと提起した。
 政局の見通しでは、安倍政権が消費税増税対策を含む二〇一九年度予算を組んだことや日ロ首脳会談をあげ、七月の参議院対策だけではなく、衆参同日選挙の可能性に言及した。
 今年の闘いについては、「二十カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる大阪での闘いは政治に響く」「関生支部への弾圧は、労働運動が弱くなったからではなく、敵の危機が深まったからである。全国の労働運動が大阪に結集して騒ぐ必要がある」と、行動提起した。
 最後に、「力が必要であると切実に感じている。論戦だけでなく、何より行動で積極的に闘いたい。併せて、労働党に加わって共に闘っていただくことを訴えたい」と講演を締めくくった。
 第二部の「旗開き」は、最初に来賓からあいさつを受けた。
 昨年夏以降、権力の弾圧に対して果敢に闘っている全日建連帯労組関西地区生コン支部の平山正行執行委員から「深刻な危機に直面している安倍政権は、危機を打開しようと、闘う労働組合を弾圧している。共謀罪の先取り適用であり、マスコミを利用して関生支部の孤立化を狙っている。しかし、情勢に確信を持つわれわれは負けない。大隈議長から『関西で暴れろ』と熱いメッセージがあった。今年もがんばる」と、力強い決意が述べられた。
 社民党大阪府連合の服部良一代表は「南北朝鮮の融和の動きは感動的だった。今年は朝鮮独立の「三・一運動」から百年目だ。いつまで日本に米軍基地を置いておくのか、日米軍事条約に頼るのか。そこをはっきり主張する政党、政治勢力が必要だ。北東アジアの平和のスタートの年にしよう」と呼びかけた。
 続いて、在日本朝鮮人総聯合会大阪府本部の金政義副委員長が「昨年は南北融和が進んだ。三度目、しかも三回の首脳会談で、両首脳は朝鮮半島で二度と起こさせないと合意した。一方、安倍政権は朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)を敵視し、排外主義で朝鮮学校を締め上げている。韓国との元徴用工や従軍慰安婦問題なども結局、歴史的の清算が行われていないからだ。平和のため共に闘おう」と述べた。
 自主・平和・民主のための広範な国民連合の吉田伸代表世話人が、権力による異常な関生支部に対する弾圧の狙いを暴露、「共に闘おう」と呼びかけ、乾杯の音頭を取った。
 祝電・メッセージ紹介の後、各界から連帯のあいさつを行った。佐々木道博・広範な国民連合代表世話人、角替豊・元京都府議会議員、稲垣浩・釜ヶ崎地域合同労働組合執行委員長などの各氏があいさつを行った。また、八尾市の田中誠太市長も参加した。
 三重や兵庫などの同志たちも闘いの決意を語った。
 閉会にあたって、党京都府委員長の由良隆同志が「技術革新問題は、差し迫った現実として実感している。アベノミクスで格差は拡大、閉塞感が高まり、沸騰点が近づいており、誰が組織するのか問われる。共に闘う年にしよう」と呼びかけた。
 最後に、参加者全員で、「インターナショナル」を斉唱して閉会した。
 近畿の新春講演・旗開きは、意気高く闘う決意を固める場となった


祝電・メッセージ(要旨、順不同・敬称略)

・立憲民主党大阪府連合代表、衆議院議員 辻元清美
・立憲民主党大阪府連合会代表代行、衆議院議員 森山浩行
・立憲民主党、衆議院議員 尾辻かな子
・立憲民主党、衆議院議員 長尾秀樹

・自治労大阪府本部執行委員長 山口勝己
 昨年は、数に物を言わせた「安倍一強」のごう慢かつ乱暴な国会運営には、皆さんも強い憤りを持たれたことと思います。とりわけ年末の入管法政正における政府・法務省の杜撰な法案準備と強引な強行採決は記憶に新しいところです。ひどい政治を繰り返すことで、前の悪行を忘れさせ、国民を諦めさせようとしているかのようです。そんな与党に手を貸し、完全な安倍補完勢力と化した日本維新の会も許せません。
 二〇一九年はこうした政治の腐敗にピリオドを打ち、民主主義を取り戻すターニングポイントにしたいものです。
 厳しい情勢ではありますが、私たちは組合員の雇用と暮らしを守るための運動を全力で進めていかなければなりません。働く者の広範な団結で雇用・労働条件の維持向上をはかるとともに、地域社会の充実や、国際的な視野をもった、平和・人権・地球環境を守る取り組みによって「ゆとり、豊かさ」を実感できる社会をつくりあげていくために、共にがんばりましょう。

・大阪市職員労働組合執行委員長 徳野尚
・大阪市従業員労働組合執行委員長 吉田隆一

・全港湾労働組合関西地方神戸支部執行委員長 碓氷良介
 昨年は「働き方改革関連法」や「改正入管法」「改正水道法」などの法律の成立が強行されました。安倍自公政権は、これらの法整備を一気呵成(かせい)に進め、資本の飽くなき利潤追求に応える政治姿勢をむき出しにしています。
 一方、労働者の側には貧困が蓄積しています。「賃金上昇」や「失業率の改善」見せかけだけのもので、実質賃金は低下傾向を続け、その下げ幅は安倍政権になってから加速しています。また、失業率の改善は不安定な雇用で低賃金の非正規雇用の拡大にほかならず、資本の側にはますます富が蓄積し、労働者の側には貧困が拡大しています。
 さらに、労働分野の規制緩和がいっそう進められようとしており、政府は二〇年にも「裁量労働制の適用拡大」や「不当解雇の金銭解決制度」の導入などを実現しようと法整備に向けた動きを進めています。
 年が明けて以降、一九年春闘が本格的に動き始めましたが、私たち労働組合がその存在意義を問われる情勢にあると感じます。現在働いている者だけでなく、将来、社会に出て働く若い世代にも重大な影響を与える労働法制改悪の動きが強まるなか、これに反対する闘いを展開できないようでは、自らその存在意義を否定するようなものです。
 春闘が賃金引き上げ・労働条件改善を中心とする闘いであることはもちろんですが、働く者の権利を奪おうとする動きに対する闘いに取り組めなければ、いくら賃上げを勝ち取っても働き続けられる職場や社会を創ることはできません。全港湾神戸支部では、賃上げ・労働条件改善だけに埋没することなく、労働法制改悪反対の闘いを春闘期の重要な取り組みとして、運動を強化していくことを確認したところです。
 共にがんばりましょう。

・全港湾労働組合関西地方神戸支部山陽バス分会分会長 渡辺誠治
・(一社)大阪府トラック協会会長 辻卓史
・部落解放同盟大阪府連合会執行委員長 赤井隆史
・神戸市外国語大学・姫路獨協大学名誉教授 家正治

・在日韓国民主統一連合(韓統連)大阪本部代表委員 金隆司
 昨年、朝鮮平島は平昌冬季五輪を契機に三回にわたる南北首脳会談の開催、そして初の朝米首脳会談の開催を通じて、軍事緊張が高まる戦争の危機から一転して、和解と平和の情勢が作り出されました。
 一九年に入り、第二回朝米首脳会談が二月末に開催表れるととが発表され、第二回朝米首脳会談後に金正恩国務委員長がソウルを訪問して、文在寅大統領との首脳会談開催が展望されます。
 このような平和・統一に向けた情勢を韓日民衆の連帯連動で、より前進させなければなりません。
 今年は、日本の植民地支配からの独立を訴えて朝鮮半島全土で二百万人の民衆が決起した三・一独立運動から百周年を迎えます。過去の歴史を正しく総括し、韓日の真の友好を築くための重要な年となります。
 朝鮮半島の平和と日本の平和は表裏一体です。
 韓統連大阪本部は今年、皆さんとともに朝鮮半島の平和統一の実現、日本の平和憲法を守る運動、正しい韓日関係の構築に向けた運動に取り組む決意です。
 一九年も共に闘っていきましょう。

・堺市長 竹山修身
・八尾市長 田中誠太
・高石市長 阪口伸六
・岬町長 田代堯
・千早赤阪村長 松本昌親
・民主ネット大阪府議会議員 中村哲之助
・豊中市議会議員 酒井弘行
・伊丹市議会議員 高塚伴子
・伊丹市議会議員 大津留求
・元吹田市長 阪口善雄
・前大阪狭山市議会議員 丸山高廣


長崎・熊本/新春講演会、質疑も活発に
 党長崎県委員会主催の新春講演会が一月二十六日に長崎市で、党熊本県委員会主催の新春講演会が翌二十七日、熊本市で開かれた。講演は「労働新聞」の大嶋和広編集長が行い、激動する世界の現状とその背景、米中関係、技術革新などについて語った。国内情勢では、新たな「防衛計画大綱」などを手がかりに、安倍政権の「ニセの独立」のポーズを暴露することが重要とし、わが党の闘いの方向を述べた。両会場とも、支持者、党員などが熱心に聞き入り、質疑応答も交わされた。熊本では、社民党県連、労組役員、平和運動センター、県議会議員なども参加した。最後に、長崎県委員会の藤井準二委員長、熊本では渡邉浩同志が「今年は行動の年にしよう」との決意を述べて閉会した。


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