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労働新聞 2019年1月1日号・14面〜16面

2019 新春各界メッセージ

要旨・見出しは編集部による
(順不同・敬称略)

政治決戦の年、改憲阻止へ
社会民主党党首 又市 征治
  「労働新聞」読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。旧年中の皆様方のご活躍に心から敬意を表します。新たな年を迎え、私たち社民党の決意の一端をメッセージとしてお送りさせていただきます。
 昨年の臨時国会では、外国人労働者の受け入れ拡大を図る改正入管法が最大の焦点でした。しかし安倍政権は改ざん・隠ぺいの反省もなく、技能実習生失踪の原因のデータを再び改ざんし、強行採決などの暴挙を繰り返してきました。
 通常国会では、軍事費拡大をめざす二〇一九年度予算案を厳しく追及するとともに、消費税の税率引き上げを中止に追い込まなければなりません。そして危険を増大させる原発再稼働など反国民的施策からの転換、当然、改憲を阻止する立憲野党の国会での結束した闘いも強化してまいります。
 沖縄ではこの二月、県民投票が行われます。安倍首相は「常に民意の存するところを考察すべし」(臨時国会の所信表明演説)と述べましたが、沖縄の民意を、「考察」ではなく「絞殺」してきたのが安倍政権です。新基地建設を断念させるため、今後とも粘り強く闘っていきます。
 今年は政治決戦の年です。統一自治体選挙で議席を拡大させ参議院選につなげていかなければなりません。そして正念場となる参院選で社民党は、比例区での二%以上の得票率確保とともに、三議席以上を確保するため全力を挙げます。
 私たち野党や民主的諸勢力の使命は、憲法にもとづく政治を取り戻すことであり、そのためには立憲野党が小異を残して大同に就くことです。とりわけ三十二ある一人区での候補者一本化が必要であり、当然この中にわが党が推薦する候補者の擁立をめざしていきます。また東京をはじめ複数区では、公認候補擁立が必要です。こうした陣形によって参議院選では立憲野党全体として四十一議席以上獲得し、改憲派を三分の二割れに追い込まねばなりません。このため、わが党は野党共闘の要役を果たしていきます。
 結びとなりますが、この一年間の皆様方の闘いの前進と成果、そしてお一人おひとりのご活躍を祈念し、メッセージとさせていただきます。


明確な対抗軸示し闘う決意
新社会党中央本部委員長 岡崎ひろみ
 新社会党への日頃のご指導、ご鞭撻に改めて感謝申し上げます。
 さて、一九年の新年を迎えましたが、いまだ日本は安倍総裁の自民党政権の下にあります。任期を全うすれば二一年までとなります。内閣改造・党役員人事は安倍首相による露骨な「改憲シフト」が敷かれ、十一月二十九日には衆議院憲法審査会の開催を強行、改憲派だけで幹事を選任しました。宿願である改憲を何が何でも実現することに執着しています。臨時国会末の自民党改憲案提示は市民と立憲野党の闘いで断念させましたが、これからも策動は続くでしょう。
 一九年は待ったなしです。改憲に失敗すれば安倍退陣はいうまでもありませんが、今後の改憲の道を閉ざすことになります。護憲派にとって正念場といえます。
 立憲野党が一致して辺野古新基地建設に反対することを明確に示した沖縄知事選の勝利は、あらためて立憲野党が共闘の流れを大きく深化させることこそ歴史を進める大道であることを証明しました。
 同時に各種世論調査の動向は、野党共闘を進め、参議院選の勝利のためには政策的一致、特に「税や社会保障」への明快な対抗軸を示し、安倍政権に代る社会像を示す必要があることを教えています。参議院選での勝利は絶対です。もし負けることがあれば、改憲は現実のものになるでしょう。
 新社会党は、あらゆる局面での労働者・市民と野党の共同・共闘の強化に全力を尽くし、憲法決戦の勝利に奮闘します。ともに闘い抜きましょう。


歴史的転換の時、選挙勝利を
自主・平和・民主のための広範な国民連合代表世話人 西澤 清

 ここ数年は、世界史的な変動の時代を予測させる大きな出来事が続いています。第二次世界大戦以降続いてきた米国基軸の世界的メカニズムが崩壊に向かい、それに替わろうとする中国を中心にした各国の覇権争いが表面化してきました。
 その荒波の中で日本政府(安倍政権)は右往左往しています。昨年際立った安倍政権の悪行は国政の最高機関である立法機関の無視・形骸化でした。昨年の臨時国会はさながら「臨終国会」の様相呈しました。
 日本を「集団的独裁体制」といったヒュー・バイアスは、「独裁者がいなのにどうして独裁があり得るか」(「敵国日本」、一九四二年)と自問して解明しますが、「安倍一強」と言われる現在の日本は太平洋戦争前のそうした状況と同じなのでしょうか。
 昨年末に発表された二十七兆円の規模に上る「防衛大綱」、「いづも」の航空母艦化、攻撃型戦闘機F35の購入整備などは、日本が大きく先制型戦争体制に踏込んだものと言えます。
 また「セクハラ罪はない」と閣議決定をした安倍政権の品性の無さ、閣僚の無知性な姿は見るに聞くに堪えがたくこの国を貶(おとし)めており、絶対多数を維持している憲法改悪勢力は、憲法改悪を国会で発議し国民投票に付す野望を捨ててはいません。
 今年は、平和主義・人権尊重・立憲主義・民主主義など、七十年かけて少しずつ築いてきた理念が崩壊するのか、それとも政治を国民の手に取り返すかの重要な年であり、自主・平和・民主のための広範な国民連合は、統一自治体選挙、参議院選挙を重要なポイントと考え、アジアの一員としての日本の進路を見据えながらがんばっていく所存です。


分断と敵対関係の解消へ
在日本朝鮮人総聯合会中央本部国際・統一局
 謹んで新春のお喜びを申し上げます。
 日頃より自主、平和のために果敢な運動を繰り広げておられる皆様に敬意を表します。並びに、在日朝鮮人の諸権利の擁護、朝日国交正常化と朝鮮の自主的平和統一に向けた運動への変わらぬ連帯とご声援に心より感謝申し上げます。
 周知のように、金正恩国務委員長の卓越した統一・外交戦略とイニシアティブによって、昨年、北南間では三度にわたり北南首脳会談が行われ、歴史的な四・二七板門店宣言と九月の平壌共同宣言が発表されました。また、六月には史上初となる朝米首脳会談が実現し、画期的なシンガポール共同声明が発表されました。
 その結果、朝鮮半島では七十年に及ぶ分断と敵対関係の解消、恒久平和と自主統一に向けた、新しい時代の流れが生まれました。
 朝鮮半島情勢が劇的変化を迎える中、唯一日本政府だけが、時代の流れに逆行する圧力一辺倒政策に固執していることは、誠に遺憾です。
 安倍総理は、「相互不信の殻を破り、拉致、核、ミサイルの問題を解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化をめざす」と述べましたが、わが国との対話を真に望むのであれば、朝日平壌宣言に則り不幸な過去の清算に基づいた国交正常化の実現に真摯(しんし)に取り組むことが肝要です。
 とりわけ、昨年八月に国連の人種差別撤廃委員会が日本政府に対して再度勧告したように、在日朝鮮人に対する人権侵害と差別的措置を早急に撤廃すべきです。
 昨年、建国七十周年を迎えた祖国・朝鮮は、新年も平和と繁栄、統一に向けた歩みを加速させ、朝米関係においても朝鮮半島の非核化に向けた信頼構築と関係改善を力強く進めていくでしょう。
 私たちは歴史の転換点において、日本の多くの皆様の変わらぬご支援、ご協力を期待するとともに、朝日関係改善と差別のない社会の実現に向けた闘いにおいて皆様と連帯してゆく所存です。
 新年を迎え、皆様のご健勝とご多幸を心より祈念いたします。


憲法改悪阻止に向け、差別と戦争に反対する協働の闘いを強化しよう
部落解放同盟中央執行委員長 組坂 繁之
 昨年は、朝鮮情勢をめぐって、対話を基調にした和解と平和にむけた歴史的な転換点となった南北朝鮮の首脳会談や米朝会談が実現しました。しかし、一方では、米国と中国との貿易摩擦による世界経済の不透明感が増し、欧州連合(EU)諸国をはじめとして世界的な経済危機がますます深まり、政治的には差別排外主義が台頭しています。
 こうした国際情勢において安倍政権は軍事費を増大させ、戦争推進施策を進めようとしています。さらに、生活保護などの社会保障費を削減し、種子法廃止や漁業法、水道法、入国管理法などの改悪や沖縄・辺野古の新基地建設を強行し、軍事的にも経済的にも対米従属を進めながら、アジアにおける覇権を確立しようとしています。そのために安倍政権が絶対的に必要としているのが憲法改悪なのです。
 私たちは、安倍政権が進めるこの憲法改悪を断固として阻止しなければなりません。新自由主義による貧困と格差の拡大、固定化や長時間労働の強制と非正規労働者の増大のなかで社会的矛盾が深まり、ヘイトスピーチのように差別と暴力を公然と煽動する差別排外主義が横行しています。二〇一六年十二月に「部落差別解消推進法」が施行されましたが、いまだに被差別部落の地名をインターネット上に掲載し、差別を拡大、拡散する確信犯的で悪質極まりない差別事件や結婚差別事件が起こっています。
 また、半世紀を超えた狭山事件の再審に向けた闘いも、石川一雄さんの無実を明らかにする科学的な手法による新証拠が提出されています。今年こそ、再審実現を勝ち取っていかなければなりません。
 さらに今年は、統一自治体選挙と参議院選挙が実施されます。憲法改悪阻止に向けた反人権主義、国権主義を許さない政治勢力の結集も重要な課題です。
 戦争への危機が深まるなか、部落解放運動はこんにちの日本社会の差別構造を打破し、部落解放―人間解放の実現を勝ち取るため、差別と戦争に反対し、人権と平和、民主主義の確立をめざした協働の闘いを進めます。


情勢に確信持ち弾圧跳ねのける
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長 武 建一
  明けましておめでとうございます。
 米帝国主義の衰退は、世界各地で起きている現象を見れば明白です。米中の経済対立、パリ協定から離脱、イランでは反米運動が高まりなど中東政策全般は破綻しています。また、米国の経常赤字は、二〇一七年だけでも五十二兆六千八百億円で、財政破綻状況下にあります。核戦争危機をつくり出すと同時に、米国内では民族差別、格差、貧困の拡大、退役軍人の精神障害者増大、ホームレス増大など、これらのツケを「米国第一」と称し、同盟国はじめ各国に無理難題を押しつけています。
 安倍自公政権は三期目に入りますが、経済成長と称し、カジノを含む統合型リゾート(IR)の導入、教育、医療、福祉、農業、漁業、労働法改悪など、全ての分野に弱肉強食の自由競争、市場原理主義の導入、人の命より目先の利益を優先する原子力発電所の再稼働、原発輸出の促進、沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設を強引に進めています。正規と非正規労働者との賃金・労働条件の格差拡大、雇用不安をはじめとする人を物扱いする制度の定着化、格差・貧困の拡大、少子高齢化、金融の破綻も顕著です。カルロス・ゴーンに見られる、日産自動車、東芝、宇部興産、神戸製鋼など大企業の不正、腐敗も続いています。
 森友・加計問題、安倍総理の意向に合わせた文書改ざん、忖度政治の横行は目に余るものがあります。外交も破綻しています。朝鮮民主主義人民共和国との関係では、制裁・圧力一辺倒で交渉のパイプは切れています。北方領土問題も、プーチン大統領との会談で今にも返還されるかのように報道されていますが、北方領土問題は一ミリも動きません。それは日米安保条約による制限があり、完全に行き詰まっているからです。
 そして、日本国の借金は、一千十七兆円(国民一人当たり八百七十万円)です。そのツケを、これからの子どもたちに先送りしています。
 この危機を打開しようとして、関生支部のような闘う労働組合への弾圧があるのです。このことは、敵(資本・権力)の危機の反動であり、敵は大きな弱点を抱えている。その危機に刺さり込む運動を展開すれば勝利の法則を手に入れることが可能なのです。
 セメント資本とゼネコンは、今回の弾圧を「千載一遇のチャンス」として中小企業間の分断、労働組合間の分断、御用組合化策動を実行し、協同組合の骨抜きを図ろうとしています。このことは、一定の時間が経てば中小企業を踏み台に労働者を犠牲にするものであることは明らかです。この間の歴史は、業界が順調に行き出すと労働組合を裏切る歴史でもあります。それでも労働組合は粘り強く取り組み「練り屋」などと言われている関西の生コン業者が団結して「生コン産業」といわれるために、組合総研を作り労使一体となって学習活動、歴史教養ツアー、技術開発、安定供給、適正サービス、適正価格収受に努力し成果を上げた歴史です。
 二人の仲間が殺害され、多くの仲間が不当弾圧を受けてもなお諦めることなく闘った歴史です。そのことにより中小企業の経営安定、労働者の賃金、労働条件の改善を果たして今日があるのです。情勢は、我々に闘う条件を与えているのです。
 情勢に確信を持って闘う観点が必要です。志を共にする労働組合、市民団体との共闘体制強化、関西の生コン業界の再建、組合総研の強化、島興し活動強化、文化活動強化、二〇一九年春闘勝利、組織の質的・量的強化、関生型運動の全国化、労働学校前進、不当弾圧の粉砕です。今年も力強く元気に楽しく粘り強く勝利の法則に確信を深め闘う年とします。「闘いは友を呼ぶ」、先人の教えです。


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