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労働新聞 2018年1月1日号・9面

埼玉県上尾市長選
秋山かほる氏が善戦
8500余人の支持

利権構造を暴露し敢然と闘う

 埼玉県上尾市で二〇一七年十二月二十二日、市長選挙が投開票された。ごみ処理業務をめぐる贈収賄容疑で、市長と市議会議長が同時に逮捕される事件をきっかけとする選挙である。出直し市長選に対して、上尾市の自民党と地元選出の希望の党議員が支持する畠山稔氏(無所属・前民進党県議)、自民党埼玉県連が推す鈴木茂氏(無所属・前自民党上尾市議)という「両自民」が立候補、共産党が鈴木候補を支持して野合・追随するなか、秋山かほる氏(無所属・前上尾市議)が公然と闘いを挑んだ。公示直前の出馬表明ではあったが、秋山候補は自民党内での「市政たらい回し」による「新しい利権」を暴露し、市民に支持を呼びかけた。最終日の駅頭演説には数百人の市民が聞き入り、感動で涙ぐむ有権者もいたという。秋山候補は当選はできなかったが、八千五百九十一人の支持を得て善戦した。今回のような利権争いは上尾市に限ったことではなく、全国どこにも似たような状況がある。秋山候補の善戦は、市民の苦しみと怒りをすくい取り、結びついて闘ってこそ、地域の支配層を追い詰め、前進し、さらには市民大多数のための政治を実現できることを示している。秋山氏から新年のメッセージが寄せられたので、掲載する。

市政転換のため今後も奮闘

 明けましておめでとうございます。
 いつも市議会議員としてご挨拶申し上げてきましたが、今年は昨年末に市長と議長が逮捕され、急きょ市長選挙に取り組みました。残念ながら落選となりましたので、その選挙の取り組みのご報告をもって、応援していただいた皆様への新年のご挨拶とさせて頂きます。
 さて、全国にわが市を知らしめた不祥事である、市長と議長が業者から現金を受け取り入札に便宜を図った容疑で逮捕された件を受け、急きょ市長選挙が実施されることとなりました。
 私は四月に破裂した腰椎を支えていた器具を取り外す手術を行い、七月頃から本格的に農業と活動を再開していました。上尾市の利権体質はわかっていましたので、市が発注する工事見積に不明瞭な部分があり、それが現場管理費だろうということ。
 また、報道されていた図書館本館移転に伴い現本館をどのようにすれば市民の要望に沿うことができるのか、若い世代が転出超過になっている上尾市を子育て世代に選ばれる市になるには、どうしたら良いかという課題で、議会での取り組みと議会外の取り組みをどのように組み立てる必要があるのかという活動をしている最中に逮捕の一報が入ってきたわけです。
  市民に対して申し訳ない事態になってしまった。警察に先を越されるなんて!
 上尾市の利権体質は以前から知られており、市民の中には「自民党も共産党も変わらなかったではないか」という認識もあります。また、自民党は常に市長派と県議派に分かれて争っているという事実があり、県議選でも自民党公認と自民党推薦という二人の議員候補が争います。二人の逮捕者を出したのは自民党市長派でした。
 この自民党市長派が何と国会では野党、市議時代は元市長の「お友だち」である民進党県議を市長候補として出すという情報が入りました。自民党埼玉県連に公認申請を出しても公認を認められなかった自民党県議派市議が市議会民進党系会派を引き連れ、市長選に出るということ、これは上手くいくはずはないと思っていました。
 私はどうすれば良いのか、悩みました。
 直前に衆議院選があり、野党第一党の衆議院民進党が右派と言われた前原誠司氏と小池百合子氏のアクロバットでまさかの解体。集団的自衛権のための安全保障関連法に賛成することを条件に希望の党に合流し、埼玉県選出の枝野幸男氏が立憲民主党を立ち上げました。
 前原氏の民進党、そして小池氏の希望の党、両方で幹事長の大島敦氏が、上尾を含む埼玉六区(小選挙区)選出の国会議員です。一方、上尾市では、立憲民主党もそれなりの得票を得ていました。
 民進党の県議が市長派自民党幹部の後押しを受けて、市長に手を上げるのであれば、これに対抗して勝てる見込みがあるのは、立憲民主党以外にないのではないかという意見も、支持者の中にはありました。
 しばらくして、立憲民主党は候補の擁立を見送り、共産党も県議派自民党を市長候補として推すことが明らかになりました。
 こうして、私は市長選に出馬したのでした。多くの皆様の応援に感謝すると共に、私の十四年間の市議生活を反省し、全国に誇れる上尾市をつくるために、活動を始めることをお約束し、新年のご挨拶と致します。
 ありがとうございました。


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