労働新聞 2002年12月5日号 大衆運動

仙台 町のたばこ屋をつぶすのか
たばこ税増税 集会開き反対訴える
「取りやすい所から取る」発想だ

北郷信一・仙台たばこ組合事務局長に聞く

  政府税制調査会は11月19日、配偶者特別控除、特定扶養控除の廃止・縮減や外形標準課税の早期導入などを柱とした2003年度税制「改正」を答申した。答申では、たばこなどへの税率引き上げも検討項目として上がっている。この動きに対し、日本たばこ協会などは反対署名を呼びかけ、約590万余の署名が集まっている(28日現在)。また、仙台市では24日、販売店や生産農家など約500人が集まり反対集会を開いた。大衆収奪の増税攻撃に反対するこうした動きを激励し、いっそう発展させなければならない。北郷信一仙台たばこ組合事務局長に聞いた。

 すでにたばこ税は年間約2兆3000億円もの財源を市町村に納めている。それをまた今回上げるというのには納得いかない。われわれたばこ屋にはリベートが10%しか入らない。値上げになったとしても全部税金になってしまい、ただ売り上げだけが減少してしまう。
 たばこは、わが国でもっとも税率の高い商品であり、例えば250円のものは、小売定価の約6割が税率だ。また、たばこは4年前に、たばこ特別税創設で、2年連続値上がりしている。これ以降、総需要は大幅に減少しており、本年度もこの減少傾向には歯止めがかかっていない。だから、さらなる増税は、国が見込んでいるように、値上げした分がそのまま税収になるとは限らない。ただ国は、取りやすい所から税金を取るという発想ではないのか。
 たばこ税は、国も県も市町村もそうだが、ヒモ付きではなく、各首長の権限で自由に運用できる。ここがたばこ税増税の理由にされる点だ。また、たばこ税の決済はすべて現金だから、自治体には翌月の25日までには税金が入る。しかし、街のたばこ屋は、売れなくて在庫を抱えても現金を持っていかれる。不公平を感じている。これは法律で決められていることなので仕方ない面があるが、矛盾点でもある。
 街のたばこ屋は、小さい店で高齢者がやっているところがほとんどだ。地方は特にそうした状況だ。ただでさえ不況のいま、さらに値上げされたら、買うお客さんにも負担になるし売る方の経営もきつくなり、こういうところはつぶされてしまう。そうしたことにならないよう、増税に反対する集会を開いた。
 集会では、仙台のたばこ組合の理事長や宮城県のたばこ組合の会長があいさつし、他の業界からもあいさつを頂いた。集会では3つの宣言を採択した。1つは、たばこ税増税を阻止しよう。2つ目は、未成年者の喫煙をやめさせよう。3つ目は、たばこのポイ捨てをやめよう、というものだ。
 集会の後、市の繁華街をパレードして市民に訴えた。これまでは何か問題があると内輪で協議をしてきたが、今回は、外に出て仙台から声を発していこうと行動した。


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