20020101

政府は青年に職を保障しろ

泣き寝入りはまっぴら!

労働青年団が就職アンケート 2002 年不満を力にかえ闘おう


 先の見えない深刻な長期不況、その上に小泉政権の改革政治がのしかかり、わが国経済はみぞうの危機である。吹き荒れるリストラ、倒産の嵐の中、完全失業率は5.4%を超え、かつてないワースト記録は、更新されつづけている。青年の失業問題も深刻で、大学の新卒就職率はついに50%台となり、4年制大学を卒業した若者の約半数が、卒業時点で職についていないという事態となった。政府はフリーターの増加を最近の若者の定職意欲の低下、就業意識の変化などと説明し、職業教育の充実や求人活動の規制緩和を推進しようとしている。しかし、厳しい求人環境の下、資格を求め、各種学校などとのダブルスクールでくたくたな学生。インターンシップ制など新しい形の就職活動に追われる3、4年生。その上、定職につけず、やむをえずアルバイトを続ける若者など、その実態はあまりに厳しいものがある。大卒100%就職時代は過去のこととなり、再び訪れた「大学は出たけれど」の時代。若者の将来への不安と不満は大きい。わが国大学と学生をめぐる環境は、その深い基礎から変化しようとしている。日本青年学生運動の新しい反攻の芽は、この中で確かに育ちつつある。
 このような中、日本労働青年団の仲間は、職を求める若者たちへのアンケート活動を取り組んでいる。アンケートにはさまざまな要求、相談が多く寄せられているが、その中からいくつかの切実な声をそのまま紹介する。

不安なフリーター生活

 ▼現在パート・アルバイト、3カ月以内に製造業現場を解雇、21歳、男性
 現在、「フリーター」と呼ばれている人がたくさんいます。しかし、不況でリストラされたり、会社をやむなく辞めなければならない時もあります。そこでしかたなくアルバイトの方にいく人が多いのであり、私もその1人です。
 私としては、将来のことを考えると、学生時代ならまだしも20代後半、30代になった時にフリーターの時給だけで生活していけるか?
 不安があります。
 以前私は、正社員で仕事をしていました(5カ月)。かたち的には解雇になるんですが、どちらかというと自己都合の方が強いです。理由としては、年が若いからというだけで、何かにつけてなめられる、ということです。「若いくせに体力が無い」だとか「すぐ口ごたえする」などなど…。体力の有無は人それぞれで、若いからといって力仕事を押し付けられるのはおかしい。また、意見を言うと口ごたえと言われました。
 あとは、アルバイトには保険とかがないところが多くあり、年間103万円を超えると税金がかかります。無税でいくには月8.2万円くらいです。現在、1人暮らしで、家賃を払い残りは生活費でやっていき、そこに税金がかかれば京都市の最低賃金を下回ります。何のために働いているのかわかりません。定職につけない間は、所得税を何とかしてほしいです。

 ▼現在無職、3カ月内に飲食業現場を解雇で退職、24歳、男性
 失業に関することではないが、若い人が払う税金などが高い(例・国民健康保険など)。何とかしてほしい。 職業訓練校も狭き門

 ▼現在無職、3カ月以内に自己都合で製造業事務を退職、27歳、男性
 このような時代になって、職がないのは自分のせいかもしれません。もっといろんな資格を取るなり、考えたらよかったと思います。しかしながら、スキルアップをさせようと思っても、あまりにも高額なお金を必要とし、とてもじゃないですが無理です。
 この間、職業訓練学校の入所テストを受けましたが、一体だれを優先しているのかわかりません。なぜかというと、50代半ばくらいの人を訓練しても、酷な言い方ですが、あと4、5年の労働期間だと思います。そういう方がたくさん入所できて、私のようなまったく異業種からの入所希望は、面接の時から、相手にされなかったように思います。
 私の希望した学科というのはコンピュータ関連ですが、たとえ、経験がなくとも若い分だけ専門知識を身につける必要も可能性もあると思うのです。しかしながら、私は不合格でした。募集人数はたったの15人です。どういう理由で合格・不合格をつけたのか、聞いてみたいものです。中高年の方も大変だと思いますが、20代の世代をもっと大切にしていただきたい。

 ▼現在無職、3〜6カ月内に卸小売業事務を自己都合で退職、28歳、女性
 職務の内容が精神的な重荷となって退職。いくら資格をもっていてもなかなか生かせないことが悩み。 ごう慢な企業の態度に怒り

 ▼現在パート・アルバイト、1年以上前に自己都合でサービス業退職、28歳、男性
 就職活動の悩みは、相手先企業の対応が失礼だということ。ほったらかしの場合がある。
 私の目で見た今の社会の感想は、あまりにも会社側(雇う側)が偉くなりすぎだということ。面接の結果も電話も来ない会社もあります。こちら側は真剣に面接に行き、まじめに考えた上で高い交通費を出しているんです。あまりにもさびしい結果です。失業者にも会社を選ぶ権利があります。どうか、そういう会社には注意していただきたいと思います。また職安の人たちに対しても失礼な態度だと思います。

資料 急増する若年失業者

 若年の失業者やフリーターの急増という、日本経済の将来に大きな影響をもたらす問題が深刻化している。  総務省の労働力調査によれば、1980年の完全失業率は15〜19歳で4.1%、20〜24歳では3.3%であった。ところが2000年には、それぞれ12.1%、8.6六%となった。
 この間、いかに若者を取り巻く雇用環境が悪化したかを示している。若年失業率はバブル崩壊後に顕著に上昇し、とりわけ97年以降急激に悪化した。若年層の完全失業率は、中高年層を大きく上回っている。
 若年失業の増加の大きな部分は、学卒未就職者の増加と自発的離職による失業増に起因している。とりわけ、1度就職できたとしても、過酷な労働条件などによって不本意な退職を余儀なくされるケースが増えている。新規学卒就職者が3年以内に離職する割合は、中学卒で7割、高校卒で5割、大学卒で3割に達するという。
 こうした若者がアルバイト、パート、派遣などに流れ、いわゆるフリーターの増加につながっている。
 2000年版労働白書によれば、92年に101万人であったフリーターは、97年には151万人に増加している。しかし、これも定職につけずやむを得ずという場合が多く、20歳代後半の7割近くの男性フリーターは、正社員になりたいと希望している(リクルート・リサーチ調査)のが実際である。