20011215

トラック協会 石原都政の増税に反対

業者への増税やめよ


 全日本トラック協会(全ト協・浅井時郎会長)は11月、東京、神奈川、埼玉、千葉、横浜、川崎、千葉の7都県市長にあてて、石原都知事が導入を進める「大型ディーゼル車首都高速道路利用税」に反対する要請を行った。環境対策の名の下に、「取りやすいところから税を取る」方式がまかり通れば、独自課税が乱立し、ただであえ苦境にあるトラック業界の経営はさらに危機にひんする。全ト協の要求は当然である。

「大型ディーゼル車首都高速道路利用税」創設の反対について(要旨)

 当業界をとりまく環境は、近年の景気低迷による輸送需要の減少や荷主業界からのコスト削減要請による運賃水準の低下に加え、環境対策、交通事故防止対策などのコストアップ要因が山積し、事業経営は極めて厳しい状況にあります。
 このような中、10月26日に行われた東京都知事の記者会見において、11月8日に開催予定の首都圏の7都県市首長会議に、大型ディーゼル車首都高速道路利用税の創設について提案することが発表されました。しかし、環境対策に要する費用は国民が公平に負担すべきであり、特定の者に負担を課すこととなる今回の課税案には問題が多く、下記理由により断固反対するものであります。

記 1、  環境対策の財源を、首都高速道路を利用する大型ディーゼル車のみを対象として徴税する今回の課税案は、あまりにも安易な徴税策であり、適切ではない。環境対策に要する費用を、トラック運送事業者のみに負担を強いることは納得できない。

2、  首都高速道路の利用車には、1都3県外からの乗り入れ車や環状道路の未整備により、やむを得ず利用する通過車両が多数含まれており、これらの車両から徴税した税を7都県市の車両改善にのみ助成することは、社会通念上公平性に欠ける。
 今回発表されている課税額(東京線200円、神奈川・埼玉線100円)は、現行料金に対し10〜14%の値上げとなるものであり、経営状態が極めて厳しい状況下にあるトラック事業者に与える影響は非常に大きく、このことは、大型車の一般道路への転移につながり、都内幹線道路のいっそうの交通渋滞を誘発し、さらなる交通公害を招くものである。

3、  課税が免除される車両を首都高速道路の料金所で瞬時に判別することは困難であるなど、料金所における渋滞がさらに激化し、環境悪化をもたらすことが懸念される。

4、  今回の課税案では、粒子状物質減少装置装着車、新短期規制適合車などについては課税免除としているが、ディーゼル微粒子除去処置の供給体制・価格・耐久性・互換性及び低硫黄軽油の供給、さらに次世代規制適合車の市販などについて明確にし、トラック事業者が自らの意思で選択できる体制を速やかに確立することが必要である。

5、  以上のような諸条件が不明確な現段階で、環境改善を目的とするとはいえ、高速道路利用税の導入は、単なる増税であって、極めて不合理である。